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読書はみんなのサプリ

職人のこだわり、情熱に触れてみる本

世の中には、ここまで自分の仕事を追求して、向上心にあふれている人がいるのかと感動することがあります。
その人達が成し遂げた作品の数々に触れると、まるでそれが作られたときの職人の息遣いまで聞こえてきそうです。
そんな“名作”に触れることのできる本をご紹介しましょう。

 

『虫の目で狙う奇跡の一枚 昆虫写真家の挑戦』

虫の目で狙う奇跡の一枚―昆虫写真家の挑戦 (ノンフィクション知られざる世界)

著・栗林慧
栗林さんは昆虫写真家です。虫がとても魅力的な生き物で、撮影が非常に難しいものだからこそ、この仕事を選びました。活発に動き回るアリをきちんと撮りたいと考えましたが、そのためのカメラはありませんでした。
そこで、自分でカメラを改造しました。強力なストロボをつけ、レンズを逆向きにし、決定的な瞬簡をとらえるために、シャッターも改造します。さまざまなくふうをして完成したカメラは、名づけて「昆虫スナップカメラ」。
著者は、独創的なカメラを開発し、斬新な写真を数多く発表してきました。本書にも、決定的な一瞬をとらえた多数の写真を収録しているので虫好きな人だけではなく、カメラマニアにもオススメの本ですよ。

 

『ねぼすけはとどけい』

ねぼすけはとどけい

著・マルイス・スロボドキン
スイスの小さな村に、小さな時計屋がありました。店には、鳩時計が123個もありました。鳩時計の中には、1羽ずつハトが入っていて、1時なら「ポッポー」、2時なら「ポッポー」「ポッポー」と、鳴くのです。ところが1羽だけ、いつもみんなより遅れて出てくるハトがいました。
ある日、店に王様がきて、鳩時計を全部買いたいといいました。ハトが遅れないように、時計を直さなければなりません。時計屋のおじいさんは、難しい仕事に取り掛かりました。
絵本の体裁ですが文章量は多く、物語の楽しさをたっぷり味わえる作品なので、ある程度一人読みに慣れてきた小学生にオススメです。

 

『肥後の石工』

肥後の石工 (岩波少年文庫)

著・今西祐行
鹿児島の甲突川にかかっていた美しい石造りのめがね橋。これは、江戸時代に肥後の石工たちによってつくられたものです。石橋は、中央のひとつの石をはずすと、つぎつぎと崩れ落ちるしくみになっています。その秘密を守るために、橋が完成すると、石工たちはひそかに殺されたといわれています。
この橋をつくった肥後の若頭、岩永三五郎は、弟子たちをすべて殺され、自分だけはひょんなことから命びろいをします。
過酷な運命にうちのめされた三五郎が、ふたたび石工として橋づくりに執念を燃やし、後世に残る橋を完成させるまでを描いた感動の歴史小説です。

 

読後、我が身を振り返ってみると日常の仕事をお座なりに済ませていたのではないかと反省することしきりですが
それでも、まだ間に合います。仕事に限らず、目の前のことに真摯に向き合うことで感動というものは呼び起こせるものですよ。

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