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【瀬戸内寂聴 おすすめ書籍】瀬戸内寂聴さんの作品や関連本

 尼でありながら、とても人間らしいチャーミングな笑顔で人々をひきつける瀬戸内寂聴さん。瀬戸内晴美というペンネームで作家活動もされており、若い人たちの悩み相談でも核心をついたやさしいアドバイスをされています。いつも穏やかで素敵な方ですが、その人生は波乱万丈に満ちたものでした。いろいろと苦労なさったからこそ、他人の苦しさも理解でき、受け止める力がおありなのかもしれません。
 今回は瀬戸内寂聴さんの作品や関連本を紹介いたします。作家としての実力も素晴らしいものです。読みやすく、人の心情を知り尽くした文才能力に思わず感情移入してしまうでしょう。

 

あちらにいる鬼

あちらにいる鬼

井上 荒野 (著) (朝日新聞出版)
 瀬戸内寂聴さんをモデルに書かれた小説。ご本人が推薦されており感動された名作です。 井上荒野の作家であった父と瀬戸内寂聴との不倫を描いた小説。一人の男性を愛した二人の女性。それぞれの視点から一人の男性への愛を描いています。愛人関係を清算するために出家する女性と浮気性がなおらない夫に生涯寄り添った妻。男が亡くなった後も彼を憎むのではなく、その心情を思い合う二人の姿も描かれており、恋愛関係における業をひしひしと感じさせられます。
 ドロドロした作風ではないので、純愛小説として読むことができます。

 

夏の終り

夏の終り (新潮文庫)

 瀬戸内 寂聴 (著) (新潮社)
 不倫の末、年下の男性と恋に落ちながらも満たされない生活を送っていた主人公。女の業に苦悩しながらも出家にいたった過程を描いた私小説。女流文学賞受賞作の表題作のほか「あふれるもの」「みれん」「花冷え」「雉子」の連作5篇が収録されています。描写の美しさ、恋という存在の儚さを官能的に描いた作品。性描写がほとんどないにも関わらず、文章の隅々にエロティズムを感じる作品です。寂聴さんの講話を聴く前にも是非ご一読ください。

 

生きることば あなたへ

生きることば あなたへ (光文社文庫)

 瀬戸内 寂聴 (著) (光文社)
 生涯ずっと心にとどめておきたい元気のでる言葉や背中を押してくれることばがたくさん。温かく、優しく、時には厳しく、寂聴さんの読む講話です。「わかれ」「さびしさ」「くるしみ」「いのり」「しあわせ」の五章に分かれ、身に染みることばがたくさん。何度も読み返してやすらぎを得てください。

 

 魅力的な女性はいくつになっても目の輝きが違います。寂聴さんは、こんな風に一生懸命にたくましく生きていけたらいいなと憧れる女性のひとりです。

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