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村田沙耶香さんのおすすめエッセイ。「クレイジー沙耶香」の魅力。

 「コンビニ人間」で芥川龍之介賞を受賞し大きな話題となった村田沙耶香さん。その作風があまりにぶっとんでいて、作家仲間やインターネット上では「クレイジー沙耶香」なんてニックネームもあることも。一度手にしたら逃れられない吸引力、計り知れない人間の奥深さを巧妙に描く文才の持ち主です。
 そんな村田沙耶香さんが普段どんなことを考えて生活しているのか、小説にどう反映されているのかを知りたい方はエッセイを読むのがおすすめ。クレイジーというよりも天然さんで、このギャップがまたファンになってしまいます。

 

私が食べた本

私が食べた本

 村田沙耶香 (著) (朝日新聞出版)
 デビューから15年間にわたって書き続けた本にまつわるエッセイ集。尊敬する作家について、芥川賞を受賞した際の思いなど自著に関しても踏み込まれています。タイトルの通り、五感を使って本を食べて自分の創作活動のエネルギーとして消化されているのだとわかるような深い、深い書評集。著者の血と肉となっている本に哲学すら感じさせられる圧巻的文章力です。

 

となりの脳世界

となりの脳世界

 村田沙耶香 (著) (朝日新聞出版)
 こちらはプライベートの沙耶香さんの思考回路を知ることができるエッセイ。小さなころの何気ない思い出、衝撃を受けた本と音楽、旅先での出来事やコンビニバイトにまつわることまで独特の視点で描かれています。ひとつの物事があちらこちらへと飛んでいくのが愉快で突拍子もなく、天然っぽい雰囲気が愛らしく感じられます。想像力がたくましく、表現も面白いので電車のなかで読むのは要注意。声を出して笑ってしまいます。

 

きれいなシワの作り方~淑女の思春期病

きれいなシワの作り方 淑女の思春期病 (文春文庫)

 村田 沙耶香 (著) (文藝春秋)
 女性としての悩みは芥川賞作家にも健在。産むか産まないか、女にとって仕事とは何かなどアラサー女性なら共感してしまうあれこれがたくさん。くすっと笑ってしまうようなほっこりエピソードが満載です。女性誌an・anに連載されたエッセイを一冊にしたもの。自意識過剰になって他人の目を気にしてしまうという方にもおすすめです。

 

 独特の視点の持ち方は個性です。暗澹とした世界観が苦手で暗澹とした世界観が苦手で村田沙耶香さんの小説を読んでいないという方は、小説を読む前にエッセイを読んでみてください。クレイジーな世界がやみつきになりますよ。

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