大人になると、だれかから叱られることもなく、ダラダラとした生活を過ごしてしまい自己嫌悪に陥ることも。このままじゃいけないと思っているのに、喝を入れてくれるひとがいない。だけどだれかに相談するというほどのことでもない。そんな人生の行き詰まりに息苦しくなってしまった人におすすめの本を紹介いたします。男性も女性も、背筋がピンとしたいときに手にとってみてください。
おんなのことば
茨木 のり子(著) (童話屋)
優しい言葉のなかにピリッとした叱責もある。戦争を生き抜いてきた女性だからこそ、その強さが言葉の隅々まで感じ取ることができます。難しいことばではなく、すとんと心に響くような感受性豊かにとらえられた芯の強さ。ふだん詩は読まないという方にもおすすめの一冊です。著者の6冊の詩集から厳選されたアンソロジー集。有名な「自分の感受性くらい」「みずうみ」も掲載されています。手元に置いておきたい詩集です。
上機嫌な言葉366日
田辺 聖子(著) (海竜社)
トゲトゲした気持ちや背伸びをする必要がどこにあるの?人を愛し、心穏やかにいつも機嫌の良い自分でいたいという方におすすめの本。一日ごとに綴られる言葉たちは乙女心を忘れない著者だからこその余裕が感じられる一冊。良い意味で体や頭の無駄な力が抜け、しゃんとした気分にさせてくれます。忙しさに心を奪われてしまいそうというときにも読んで欲しい関西弁が心地良い本です。
神父燦燦―カトリック司祭58人に聴く
カトリック新聞社(編さん) (教友社)
カトリックの神父さん58人が、神父になったきっかけや歩んできた人生について語ったインタビュー集。聖職者といっても人間。私たちと同じように悩みや苦しみを経験されてきた方ばかり。キリスト教徒以外の方でも人生の平和や光、真実を考えさせられる一冊。なんとなく神父になった方から戦争や時代の危機にぶつかった方も。人生をないがしろにせず、与えられた場所で輝く姿に背筋が伸びる思いです。神父の姿を通して人生のエネルギーを与えてくれる本です。
なにかに影響を受けるというのは、とてもエネルギーが必要なもの。ついつい堕落してしまいそうな心を叱咤するためにも、心の道しるべを持つことは大切です。新たなる刺激を与えてくれる本との出会いは、新しい自分に出会えるかもしれません。