想像力を鍛えるためにも詩がおすすめ
美しいと思える感性や豊かな想像力は一朝一夕に手に入るものではありません。
言葉の重みは人によって違います。だからこそ、適格に作者の意図を読み取るためには想像力を鍛えることが必要です。
想像力を鍛えるためには、ひとつひとつの言葉からイメージをつかみ取る練習をしなくてはなりません。
そのためには詩集を読むのがおすすめです。厳選された言葉から確実にイメージをつかみ取り、心を美しく精神を熟成させてくれる効果があります。
詩は難しい、何を言いたいのか分からないと苦手意識がある方にもおすすめの美しい抒情詩を紹介いたします。
中学生から大人まで気軽に手に取ってみてくださいね。
竹久夢二詩画集
石川 桂子 (編集) (岩波書店)
美人画が有名な夢二ですが、実は詩人を志していたそうです。こちらは夢二の詩画をカラーで融合させ、エッセイも収録された貴重な一冊。
抒情に満ちた美しい日本語のリズムに恍惚とさせられ、ときにアンニュイに胸を痛めるような恋の切なさや繊細さ。飾り気がないのに複雑な女心を的確にとらえていて、時代を超えても愛される作品ばかりです。
夢二ファンはもちろん、大正ロマン好き、乙女チックな気分に浸りたいときにもおすすめです。
ヴェルレーヌ詩集
ヴェルレーヌ (著) (新潮社)
デカダンスを代表する詩人による甘美で情熱的な恋の詩が多く収められています。揺さぶり動く精神を一瞬一瞬でとらえ、上質な世界へと連れて行ってくれます。
太宰治の『晩年』で引用された「選ばれて在ることの恍惚と不安とふたつわれにあり」という句に覚えがある方も多いのではないでしょうか。
波乱万丈の人生を送ったヴェルレーヌの生涯とともに綴られた詩を思う存分堪能してください。
コクトー詩集
ジャン コクトー (著) (新潮社)
20歳で詩人としてデビューし、バレエの台本や小説、絵画や映画製作まで芸術界に大きな才能を開花させたコクトー。1920年代ベル・エポック時代に書かれた代表的な詩が収録されています。
神秘的で夢想にふける作品ばかり。詩が苦手な方も何度も口に出して味わっているうちに、すんなりと心のなかに愛の炎が揺れるような気持ちになるでしょう。
フランス文学に興味がある方、クラシック映画がお好きな方にもおすすめです。
美しい言葉に触れていると、自然と心が磨かれて身のこなしも美しくなるもの。抒情詩は精神を解きほぐしてくれ、世界観に酔いしれることができます。
夜のひとり時間に、お酒を飲みながらページをめくるのもおすすめです。