英国作家の古典といえばロバート・ルイス スティーヴンソン。19世紀を代表する冒険小説や児童書を創作し、今なお人気の高い作家です。彼からインスピレーションを得てたくさんの作品が誕生しています。
タイトルは知っているけど読んだことがない、翻訳小説はどうも苦手という方のために、今回は絵本になったロバート・ルイス スティーヴンソンの作品を集めました。気軽に読めて世界観を味わうことができるので、とりがかりの一冊としていかがでしょうか。
宝島 (愛蔵版世界の名作絵本)
宝島 (愛蔵版世界の名作絵本)
古い本を拾った一人の女性のもとに、夜な夜な本の登場人物が幽霊となって語りかけてくる冒険物語。名作宝島の設定を改変し、冒険に憧れる女の子に親しみをもってよんでもらえるよう工夫されています。
本格的な油絵で描かれた印影のある重厚なイラストは迫力満載!原作をまだ読めない子どもたちにも手にとってほしい名作です。エピソードの選び方もセンスが良く、ラム酒を片手に繰り広げられる冒険譚にドキドキさせられます。大人の方はアニメ化されたこともあるのでストーリーを知っている方が多いと思いますが、今の子どもたちは冒険物語の原点ともいわれる宝島を知らないという子も多くいます。海賊アニメが好きなお子さまにもおすすめです。
ジキル博士とハイド氏 (愛蔵版 世界の名作絵本)
ロバート・ルイス スティーヴンソン (著) (小峰書店)
人間の表裏を象徴するジキルとハイド。解剖医であるジョン・ハンターをモデルにつくられた小説が絵本になりました。不気味だけど表情にこだわった肌質を感じさせられる生々しいイラスト。怖いけどついつい読んでしまう狂気に満ちた作品です。小説を読んだことがない方は、まずこちらからおすすめします。自己の存在という重厚なテーマなので大人向きに思われがちですが、幼い子どもに読み聞かせすると怖い話として記憶に残るそうです。
旅 (イメージの森)
ロバート・ルイス スティーヴンソン (著) (ほるぷ出版)
絵と訳は和田誠さんが手がけています。英語と日本語で詩が書かれており、リズムカルな訳と素朴でカラフルなイラストがとても魅力的な絵本。未知への旅立ちと胸の高鳴りを抱く希望に満ち溢れた詩の絵本です。「宝島」と「ジキル博士とハイド氏」の間に出版された子どものための詩集の一遍。
中島敦が「光と風と夢」という小説で晩年のロバート・ルイス スティーヴンソンを描いた作品があります。青空文庫で読めるので、興味を持った方は是非読んでみてください。