同じ年ごろの子どもたちが活躍する絵本も楽しいけれど、動物が登場する絵本も子どもウケがいいもの。動物たちは子どものように純粋で、自然のなかで暮らしています。自由に、本能の赴くままに生きている動物たちは子どもたちの化身として描かれているのかもしれません。
今回は季節を感じさせてくれる動物たちが登場する絵本を紹介いたします。どの本も生き生きと動物たちが描かれていて、ストーリーも素敵。心に響くものばかりです。動物好きのお子さまに是非読んであげてくださいね。
もみじのてがみ
きくち ちき (著) (小峰書店)
つぐみが届ける真っ赤なもみじの手紙。もうすぐ雪が降るよとのお知らせ。ねずみは返事を書こうと更なるもみじを探しに旅にでます。途中でりすとひよどりも加わって、あちこち迷子になりながらも三匹がみつけた場所とは?
大胆で力強いタッチのイラストと、さまざまな赤がまぶしい絵本。生き生きと描かれた自然と動物たちが印象的で、ラストシーンは息をのむほど美しい朱色の世界が広がっています。季節感を感じさせてくれる絵本です。秋に読むのがおすすめ。
ひだまり
林 木林 (著) (光村教育図書)
乱暴者でほかのねこからエサを奪って暮らすトラビスは大きなひだまりを我が物顔で独占します。ひとりぼっちのトラビスのもとに、となりまちのミケーレがやってきます。奪うどころか、仲間にエサを分け与え、ちいさなこもれびで足を温め、ひだまりを教えるトラビスにお礼を言う優しい心のミケーレ。そんなミケーレに与えることの大切さを教わったトラビスが幸せな時間をなくしてしまうことを恐れ始め・・・。
二匹のねこの寄り添ってひだまりで暮らす姿を岡田千晶さんによる繊細な絵で描かれています。ゆったりと流れる時間とそよ風を感じさせてくれる絵本です。
ちいさな ろば (こどものとも傑作集)
ルース エインズワース (著) (福音館書店)
牧場で飼われていたひとりぼっちのろば。クリスマスイブの夜、足を痛めたトナカイの代わりにサンタさんのソリをひいて働きます。一生懸命働いたトナカイにサンタさんがくれたとっておきのごほうびとは?ろばの澄んだ瞳とやさしさに心があたたかくなるクラシックな絵本。聖なる夜の小さな奇跡の物語です。
心が清らかになる静かな絵本。そこから何かを感じ取ってくれれば嬉しいですね。大人になっても、自分の子どもに読んであげたいと思ってもらえるような名作絵本です。