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読書はみんなのサプリ

読書でぶらり男旅。会社員の男性におすすめ本

 家族旅行はどうしても子どもやパートナー中心に計画を立ててしまうし、社員旅行では仕事の延長で気を使ってしまい旅を楽しめない。もっと自分のペースでのんびりと疲れを癒す旅行をしたいけど、なかなか一人の時間がとれないという会社員の男性におすすめしたい旅行に行けた気分になれる本を紹介いたします。

 

日本温泉めぐり 

日本温泉めぐり (ランティエ叢書)

 田山 花袋(著) (岩波書店)
 自然主義作家として有名な著者による温泉ガイドのような紀行文。大正時代の温泉事情を垣間見れ、当時の旅のしかたや旅先での出会い、全国各地の温泉に地図を片手に旅する姿が目に浮かぶようです。津軽の大鰐温泉から霧島の栄之尾温泉まで、現在でも親しまれている温泉地も登場します。詩的な文章を楽しみながらも、歯にものをきせぬ言い方をするときもあり、実直な性格の方と温泉旅行をしているかのような気分になります。タイムスリップして湯けむりのかおりが漂う温泉地へ旅してみませんか?

 

あの日、僕は旅に出た

あの日、僕は旅に出た (幻冬舎文庫)

 蔵前 仁一(著) (幻冬舎)
 バブル時代、朝も夜も関係なしにグラフィックデザイナーとして仕事に追われていた著者が、ふいに嫌気がさしてインドに旅にでたことがきっかけで旅の面白さに憑りつかれてしまい雑誌「旅行人」を創刊し、バックパッカーの教祖と呼ばれ、紀行文作家として活躍するまでの自叙伝です。見知らぬ土地と、好奇心の赴くままにまっすぐにひたむきに突き進んでいく著者の人柄に魅了される一冊。熱い心を失ってきたという方におすすめしたい本です。

 

こいしいたべもの

いとしいたべもの (文春文庫)

 森下 典子(著) (文藝春秋)
 昔食べた懐かしい味。お母さんが作ってくれたホットケーキ、青春時代に食べたペヤングの焼きそば、峠の釜飯、ちびくろサンボのトラのバター。懐かしい味にはたくさんの思い出が詰まっています。人との思い出のなかにあるこいしいたべものたちのエピソードが綴られたちょっぴり切ない短編集。昭和時代の懐かしい味と美味しそうな挿絵にセンチメンタルな気持ちと食欲が湧いてきます。読み割った後は、そばにいる大切なひととおいしい食べ物を食べたくなるでしょう。

 
 お父さんでもなく、役名でもなく、ただ一人の男性として開放される瞬間があっても良いはず。なかなか時間がとれない、そういうときは脳内トリップで自分だけの時間を持って心と頭を空っぽにしてみてはいかがでしょうか。誰かのためにいつも頑張っているという男性、息抜きをしたいという方におすすめの本です。

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