相棒というと、刑事ドラマのタイトルを連想しそうですが、子供の世界にも相棒は存在します。
それはときには複数になることもあるし、必ずしも仲良しのシーンばかりとは限りません。
『グレー・ラビットとヘアとスキレルスケートにいく』
グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく (グレー・ラビットのおはなし (1))
著・アリスン・アトリー
灰色ウサギのグレー・ラビットは、大ウサギのヘアと、リスのスキレルと一緒に、もりのはずれの家で暮らしています。グレー・ラビットはいつも家の仕事をテキパキと片付ける働きものです。ヘアはわがままで、あまえんぼう。スキレルは、おしゃれがすきなおしゃまさんです。
ある冬の日、野原の池が凍ったので、3匹はスケートをすることにしました。サンドイッチをつくり、飲み物の用意をして、おまけに、おめかしもして出かけました。
著者は、イギリスの田園地帯で生まれ、ゆたかな自然のなかで子ども時代を過ごしています。グレー・ラビットのお話は、クラシカルで繊細な挿絵が、物語のあじわいを深くしています。
『3だいの機関車』
著・ウィルバート・オードリー
3台の機関筆、エドワード、ゴードン、ヘンリーは、同じ車庫に暮らしています。エドワードは、いちばんのちびだけど働き者。客車にもやさしくしてあげます。ゴードンは、急行を引いているので、いばっています。
ヘンリーは、雨が大嫌い。濡れるのがいやで、トンネルに入って出てきません。ある日、そんな3台が、力を合わせて仕事をしました。
「汽車のえほん」シリーズは、テレビの「きかんしゃトーマス」の元になった絵本で、イギリスの鉄道を舞台に、個性的な機関車が活躍するお話です。擬人化されていますが、鉄道の仕事を踏まえているので、汽車好きの子どもには喜ばれるでしょう。
『象と二人の大脱走』
著・ジリアン・クロス
ひろいアメリカ大陸を、東から西へ横断するのは大変なことです。100年以上も前の西部開拓の時代には、命を落とす危険もある大旅行でした。ただでさえたいへんなのに15歳の少年タッドは、大きな象をつれて旅することになってしまいました。
しかも、なまいきな女の子シッシーも一緒です。象を奪おうとする追っ手から逃げるため、身をかくしながら進まなくてはなりません。きびしい旅を続けるうちに、ふたりは互いを信じあう、かけがえのないコンビになっていきました。
アメリカ大陸横断鉄道が建設された19世紀後半、西部開拓に拍車のかかった時代を背景に、イギリス人作家が描く冒険物語です。道中、子どもたちが出会う個性豊かな大人たちも魅力的で、上質なロードムービーの雰囲気も楽しめる作品です。冒険好きな小学生にオススメです。
人は一人では生きていけないという言葉はよく聞きますが、具体的にはどういうことかイマイチピンとこないなという方にはおすすめです。
特に小学生高学年の子におすすめしたい、人生で大事なことを教えてくれる本ですよ。