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【古本好き おすすめ】古本のロマンあふれる世界

 読書が趣味の方は古本屋さんに行かれる方も多いのではないでしょうか。新刊では購入できない時代を感じる作品や古びた装丁、細かい字にうっとりし、この本はどんな人に読み継がれてきたのだろうと想像して楽しむこともできます。ページのすみっこをこっそり折ってあったり、大事だと思うところに線が引いてあったり。本を通じてだれかの存在を感じることができるのも古本が持つロマンチックな要素だと思います。本は時代を超えて、人と人とを繋いでくれる大切な存在です。今回は、そんな古本のロマンを味わえる作品を紹介いたします。本との一期一会をどうぞお楽しみください。

 

古本とジャズ  

古本とジャズ (ランティエ叢書)

 植草 甚一(著) (角川春樹事務所)
 評論家・作家としてJJと呼ばれ男性に人気の高い著者のエッセイ集。街をぶらつき、古本を買い、ジャズ喫茶でコーヒーを飲む。どことなくクールで余裕のある大人の男性の日常が綴られています。独特の語り口はタモリ倶楽部を見ているときのような気分になることも。知的でロマンあふれる世界観を味わえる一冊です。

 

冒険者と書斎 

冒険者と書斎 (ランティエ叢書)

 開高 健(著) (角川春樹事務所)
 「オーパ!」「生物としての静物」「私の釣魚大全」の人気エッセイと未収録9篇を収録した贅沢な一冊。なかでも小説家の堀田善衛さんへの追悼文とヘミングウェイ「エデンの園」について書かれた作品は作家としてのストレートな気持ちと尊敬の念、読書という果てしない冒険、焦れるほどの情熱を感じさせてくれる本です。

 

せどり男爵数奇譚

せどり男爵数奇譚 (ちくま文庫)

 梶山 季之(著) (筑摩書房)
 古書ミステリーの傑作とも呼ばれている作品。せどりとは安く買った本を他の古書店に高く売る人のこと。せどり男爵と呼ばれる古書狂いの笠井を中心に繰り広げられる古書に魅せられた人々の狂気ともいえる情熱。古書業界に興味のある方にもおすすめのページをめくる手が止まらない短編集です。

 

本と暮らせば

文庫 本と暮らせば (草思社文庫)

 出久根 達郎(著) (草思社)
 古本屋店主という経歴を持ち、直木賞作家の著者が贈る本のドラマ、文豪の秘話、世の中に知れ渡っていない面白い本が紹介されたエッセイ集。古本のにおい、手触り、存在。本と暮らすことによって生まれてくる人間性や好奇心。たくさんの本が紹介されているので、積読本が増えること間違いなし!ためになる本の読み方についても参考になります。

 

 ジブリ映画の「耳をすませば」で、若い男女が図書館の本の貸し出しカードで名前を見つけて惹かれあうシーンがありました。あの人はこの本を読んでどんな気持ちになったんだろう、どんなときに、どこでこの本を読んだのだろうと考えては胸がいっぱいになる甘酸っぱいシーン。なんでも匿名で心のうちや日常生活までさらけ出してしまう現代ですが「胸に秘める」ということもロマンを感じるひとつだと思います。

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