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読書はみんなのサプリ

【田舎暮らし 憧れ】忙しい方に。いなかぐらしが味わえる本。ゆっくりのんびりした時間を。

 昔も今もいなかぐらしに憧れる人がいます。あくせくした人間関係を離れ、自分と家族、近所の人々と親しく愛し合って暮らし、貧しくても自給自足で日常を大切に生きることを求めた人たち。都会の喧騒は時代が変わっても、新しいものがどんどん生まれスピード感あふれる世界。

どんどん自分だけが置いて行かれるような、人間性を無視されているような孤独感を感じる方はいなかぐらしに憧れるのではないでしょうか。現代でも有名人が地位や名誉を捨て自然の中で暮らし始めたという方もいらっしゃるほど、いなかならではの美しさや魅力があるのだと思います。今回はいなかぐらしを始めたい方、実行する勇気はないけどいなかぐらしをしている気分になりたいという方におすすめの本を紹介いたします。心ゆくまでを過ごしてください。

 

鶴川日記

鶴川日記 (PHP文芸文庫)

 白洲 正子(著) (PHP研究所)
 白洲次郎の愛娘として山の手で育ったお嬢様。本物志向を持ち、常に自分のなかの美学を追求し、能や陶器などの随筆家として有名な白洲正子さん。まだまだ女性の地位が確立していなかった時代に、周りに流されずに自分なりの生き方を貫いてきたカッコイイ女性です。そんな彼女が愛する夫とともに戦争中に疎開した鶴川でのいなか生活が綴られたエッセイ。ものが豊かではない時代にわずかな食糧を自給自足し、手作りの料理をふるまったりご近所の人と触れ合ったり。変わりゆく東京の様子、文化人との交流についても記されています。武相荘にお出かけの際は予習として読んでおくのがおすすめです。

 

文人の流儀 

文人の流儀 (ランティエ叢書)

 井伏 鱒二(著) (角川春樹事務所)
 「山椒魚はおどろいた」どころではなく、著者のロハスな生活にもっと驚くこと間違いなしのエッセイ集。石ころで鮎を釣ったり、中秋の明月に蛸を食べて悦に入ったり。峠の茶屋で放屁と将棋に戯れ、暇とナンセンスにあけくれた文豪の姿に日本文学の敷居がぐんと低くなることでしょう。自然に囲まれた環境で生活してきたことで、いつまでもみずみずしい感性と子どものような柔軟性が身についたのでしょうか。ころころと変わる着眼点のユニークさと徹底した隠居生活に思わず笑いがこみあげてきます。

 

ベニシアの言葉の宝箱 (猫のしっぽ カエルの手)

ベニシアの言葉の宝箱 (猫のしっぽ カエルの手)

 ベニシア・スタンリー・スミス(著) (世界文化社)
 NHKで大好評の京都・大原で手づくりのものに囲まれて生活しているイギリス人のベニシアさん。日本家屋の古民家を改装し、庭には香り高い季節のハーブが植えられています。日本とイギリスの古くて美しいものに囲まれて暮らすベニシアさんのエッセイと写真集、朗読のDVDがセットになった本。エッセイは日本語と英語が掲載されているので英語を勉強中の方にもおすすめです。安らかで贅沢なゆったりとした時間が流れる癒しのひととき。いなかぐらしに憧れを抱いている友達にプレゼントとしても喜ばれることでしょう。

 

 時代が豊かになることは時間や体を使って働いている人がいるからこそ。そんな時代には、暇こそが人生の宝物だと感じるようになります。人間が消費社会の一コマに過ぎないような扱いをされ続けると、人間本来の生存欲求として何かを実らせたいという欲望が出てくるのかもしれません。いなかの空気を味わえない方はベランダでミニ菜園を作るのもおすすめです。自然と触れ合うことで心がリフレッシュされる効果もあるそうです。


 

 

 

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