ほんのむし

読書はみんなのサプリ

男の友情小説ベスト3。ピュアな友情物語がお好きな方にもおすすめ。

 いつも一緒にいるわけじゃないけど、どんなときでもそばにいて気楽に接することができる男同士の友情。相手をそのまま受け入れることができ、競い合うことなく良い意味で刺激を与えあうことができる存在ではないでしょうか。ときに熱く、ときに冷静に。男同士の友情は一生もので例え彼女であっても割って入れるものではありません。女性からみるとちょっと羨ましい男の友情を描いた小説を紹介いたします。損得のないピュアな友情物語がお好きな方にもおすすめです。

 

怪物はささやく

怪物はささやく

 パトリック・ネス(著) (あすなろ書房)
 病に倒れた母を看病している13歳のコナー少年の元に現れたのはイチイの木の怪物。怪物は3つの話をし、4つめの話はコナー自身が語るだろうと告げます。物語とは油断のならない生き物だと語り「真実」を語るようにと告げる怪物。

夜ごとに現れる怪物を恐れながらも、物語はすべてハッピーエンドでは終わるわけではありません。複雑な人間心理が絡み合う喪失と浄化の物語。怪物との奇妙な「友情」ともいえる関係と、理不尽な人生のほろ苦さは児童書という括りでは測れない作品です。映画化もされているのであわせてお楽しみください。

 

ネバーランド

ネバーランド (集英社文庫)

 恩田 陸(著) (集英社)
 進学校の男子校の寮「松籟館」で冬休みを過ごすことになった高校生4人。一人ずつ背負っているものを「告白」しあいます。表向きは普通の高校生ですが、それぞれ重い過去や事情を背負い、弱みをさらけだしたことで友情が芽生えます。

一度きりで二度と戻れないまぶしい少年期を切り取った「ネバーランド」という題名にぴったりの作品。読みやすく、心が温かくなるさらっとした読み心地の青春ホラー小説です。

 

蛍川・泥の河

螢川・泥の河 (新潮文庫)

宮本 輝(著)
 芥川賞受賞作品で富山を舞台にした「蛍川」と、太宰治賞受賞作品の大阪を舞台にした「泥の河」を収録した少年達の友情を描いた一冊。戦後の傷が癒えていない豊かではない時代のなか、懸命に支えあって生きていく家族や近所の人との交流と四季折々の移り変わる季節、出会いと別れが描かれています。

少年期ならではの葛藤と人間の哀しさのなかにキラリと光る友情がいつまでも心に残る色褪せない文学作品です。

 

 本音をぶつけ合うことができ、離れていてもすぐに相手を理解し尊重し合える関係は男同士だからかもしれません。一人でも信頼できる友人がいれば、人生のどんな辛いときも支え合って生きていけるでしょう。そんな理想の友人関係を築いてくださいね。

Copyright © ほんのむし All Rights Reserved.

Privacy Policy