日本人のDNAにはさくらが組み込まれていると外国人に言われることもあるほど、さくらの季節に胸を躍らせる人は多いのではないでしょうか。さくらの一瞬の花咲き、短いからこそ美しい淡い色。その美しさは可憐なだけではなく、どこか妖しく美しい。お花見の季節は大地の恵みを体全体で感じることのできる貴重な季節。さくらの季節に恋い焦がれながらページをめくってみてください。
桜
蜷川 実花 (著) (河出書房新社)
色彩の魔術師と呼ばれる写真家によるさくらのきらめきを感じられる写真集。2011年3月。恐ろしい大震災が起こったあとのさくらの花々。いつもと変わらず咲いているその命の力強さ、花のクローズアップによってピンクの色彩のなかにもいろんなピンク色があることに気づかされます。思わずめまいがしそうになり、空を見上げたくなります。生命の力強さにエールをもらえることでしょう。
ひかるさくら (えほんのぼうけん)
帚木 蓬生 (著) (岩崎書店)
日本むかしばなしを彷彿させるふしぎな世界観。くすり売りの青年が山道で出会う病人たちに無償でくすりを分け与えます。道に迷って家に帰れないと力尽きたとき、不思議な光に導かれ満開の光る夜桜に出会います。見開きのページいっぱいに描かれた暗闇のなかの桜がとても印象に残り、やさしい気持ちにさせてくれる幻想的な絵本です。
美味しい櫻~食べる桜・見る桜・知る桜
平出 眞 (著) (旭屋出版)
タイトルの通り、さくらを食べる・見る・知るための本。さくらに関するうんちくや、思いもよらないおいしそうなレシピがたくさん。御当地グルメやさくらの鑑賞スポットも!この本を片手にさくら前線とともに全国さくらめぐりをしたくなる本です。眺めているだけでもさくらのほのかな香りがただよってきて癒される絵本です。
厳しい冬の終わりを告げ、一年のはじまりにぴったりのさくらの花。さくらは散り際すらも美しく、また新緑の季節も生命力を感じさせてくれます。