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【椎名林檎 おすすめ書籍】椎名林檎さんのおすすめ本。中毒性が高く、一気読みしていまう数々。

 唯一無二の存在で、刹那的で衝動的。そんな感情の揺れ動きと人間の欲望にストレートな歌詞と独特の歌いまわし、そのビジュアルもセクシーでいつも目の虜にさせられる椎名林檎さん。
 一度聴いたらクセになる毒をもった女王。その一方で不意にみせる少女性と音楽のセンスにはいつも圧巻させられます。
 そんな椎名林檎さんの心をとらえた本を紹介いたします。歌の疾走感と同じような取り返しのつかない感情を表現した本がピックアップされました。中毒性が高く、思わず一気読みしてしまいます。小説を普段読まないという方にもおすすめです。

 

塩狩峠 

塩狩峠 (新潮文庫)

三浦 綾子 (著) (新潮社)
 誠の心、勇気、努力。
 明治末年、北海道旭川の塩狩峠でおこった鉄道事故。キリスト教を忌み嫌っていた青年、若き鉄道員の永野信夫はなぜ大勢の乗客の命を救おうと客車から飛び降りたのか。彼の半生を描いた長編小説。潔癖な性格の主人公がキリスト教の精神に目覚める過程がリアルに描かれています。自己犠牲とは、愛とは、信仰とは何かを問う名作。あなたは見も知らずの人々に命をかけるほど何かを与えられますか?

 

1ミリの後悔もない、はずがない

1ミリの後悔もない、はずがない

 一木 けい (著) (新潮社)
 椎名林檎さんが「私が50分の円盤や90分の舞台で描きたかった全てが入っている。」と絶賛された作品。第15回女による女のためのR-18文学賞読者賞受賞作品です。
 複雑な過程で育った少女の人生を描いた連作短編小説。誰にでもある「後悔」あのときあぁしていればよかった、こうしていればよかったという人間の業がリアルに描かれています。印象的なフレーズがところどころに出てきて、まるで映画をみているかのよう。そのときどきにあふれだす感情の高まりがリアルに感じさせられます。
 こちらがデビュー作の作家さん。これからもどんどん女性の気持ちをつかむ作品が誕生しそうですね。

 

サラバ

サラバ! (上)

 西 加奈子 (著) (小学館)
 直木賞受賞作品。上中下巻にわたる長編です。登場するキャラクターが個性派ぞろいで読み手を飽きさせない面白さ。
 イランで生まれた歩の人生と日本で過ごした幼少期、そしてエジプトで過ごした時間について。バラバラになる家族、自己存在が否定される海外での暮らし、そしてあふれる性欲。どれもこれも人間らしい欲望に渦巻いた世界。人種、宗教、性的マイノリティ、貧富の差など生きづらさを抱えたすべての人に読んでもらいたい小説です。

 

 きれいごとではすまされない感情。そんな感情にリアルに、正直になってもいいんじゃないと問いかけてくれる作品ばかりです。自分ではどうしようもないもやもやした感情、愛か憎しみかわからなくなるような情熱を抱いたことがある人は共感するところが多いのではないでしょうか。

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