お笑い芸人さんだから、もっとはっちゃけた生活をされているのかなと勝手に想像していましたが、実は光浦靖子さんは手芸や読書が好きな文科系女子の代表。以前バラエティ番組で冷蔵庫にある食材で手早くおいしそうな料理を作っているのを見てからすっかり女子の鏡としてお手本にさせてもらっています。
そんな光浦靖子さんが「アメトーーク」で紹介していた本をまとめてみました。女性ならではの感性でセレクトされた作品です。是非手にとってみてくださいね。
i(アイ)
西 加奈子 (著) (ポプラ社)
直木賞受賞作家による「想い」をテーマにした長編傑作。シリアに生まれ、物心がつくまえにアメリカ人の父と日本人の母の養子として育てられたアイは自己の存在に関して自信を持つことができない。世界でどんなことが起こっても「想い」を馳せることしかできない。それは偽善でもなんでもなく他人の心に寄り添うやさしさや思いやり。人間にとって大切なことを教えてくれる「想像力」の物語です。
東京自叙伝
奥泉 光 (著) (集英社)
3.11からはじまる「東京地霊」を主人公に語られる東京の歴史。明治維新、太平洋戦争を経て、高度経済成長で浮かれる人間たちにとり憑いています。何を起こしても反省もせず、何も学ばない人間たち。大スぺタクル感満載で爽快感がありながらも、どこかドキっとさせられる作品です。
臣女
吉村 萬壱 (著) (徳間書店)
夫の浮気を知ったあとにどんどん巨大化していく妻。罪悪感でいっぱいの夫は彼女が必要とする大量の食糧を用意し、大量の排泄物を処分する。読み方によって純愛小説とも怪奇文学とも不条理文学とも受けとれると番組内でも熱く語られていた作品です。第22回島清恋愛文学賞作品。日常の生活でほんのささいなことからずれはじめ、生まれる狂気に翻弄させられます。
光浦靖子さんがセレクトする本は、どれも本にのめりこんで読んでしまうほど圧倒的なパワーがありながらも、心に響いたり考えさせられる作品ばかり。本を読んでもすぐ内容を忘れてしまうという方は是非手にとってください。衝撃の一冊になりますよ。