みなさんは小学校の頃の思い出ってどんなものがあるでしょうか。教室で一生懸命に勉強したり、休み時間に校庭で走り回ったりドッジボールをしたり。
そんな、ある種メジャーな思い出以外にも、いろんな不思議な体験をしたという人もいるんですよ。
『1ねん1くみ1ばんワル』
著・後藤竜二
ぼくのクラスの黒沢くんって、有名なワルなんだよ。このあいだも、自転車ですべりだいを滑り降り、腕を折って、救急車で運ばれた。でも、ぜんぜん大人しくなんかならないで、ギプスを見せびらかしては、どうだ、すげえだろうって、いばってる。
黒沢くんのおかげで、けんかをしたり、おいかけっこをしたり、学校はいつも大騒ぎです。でもある日、そんな黒沢くんが泣いちゃった!
『1ねん1くみ1ばんげんき』『1ねん1くみ1ばんなかよし』など続編が次々に出て、既刊24巻の人気シリーズになっている本です。元気すぎる黒沢くんにふりまわされる学級の様子が楽しいですよ。
『フングリコングリ 図工室のおはなし会』
著・岡田淳
小学校の図工室。先生が授業の後片付けをしていると、不思議なお客さんがやってきます。ひらひら飛んできたシジミチョウ。保健室の金魚鉢の中のでっぷりした金魚。小さなテントウムシに、礼儀正しそうなアマガエル、話好きのヤモリ.........。
先生は、お客さんたちに、ふしぎな話をします。「フングリコングリ」「むきゅるっぱらびれ、ふぎゅるっぴん」「かっくんのカックン」「なんの話」なんていうかわった題名の話です。あなたも、いっしょに聞いてみませんか。
学校という空間に隠れたふしぎを描く、短編6話です。もしかしたら本当に起こるのでは?という気持ちにもなる不思議なファンタジーです。
『ろうかのいちばんおくの教室は』
著・ダグラス・エバンス
ウォルター・T・メロン小学校の新学期。用務員のリークさんは、3年生の子どもたちに言いました。あの、廊下の一番奥の教室で、なにかおかしい、なにか奇妙な、なにかとんでもないことが起こるんだと。
たしかにみんなは、不思議なモノにあいました。問題児のロジャーのところにはチョークの粉の魔神が、整頓ができないエミリーの机にはごちゃごちゃ机虫が、そして人の答えを写してばかりいたロザリーの耳にはなんでも教えてくれる虫があらわれたのです。
学校を舞台にした連作集で、個々の話は比較的短いので、長編が苦手な子どもにオススメです。
こうやって考えてみると、学校とは単に勉強をするという枠組みを超えて、広く人間形成をする場所でもあるんですね。
そんな、すでに忘れてしまった体験を思い出したい大人の方にもオススメの本ですよ。