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【歳の差 恋愛 おすすめ 小説】歳の差恋愛、結婚がテーマの現代小説三選

人を好きになることに、きっと年齢は関係ありません。「源氏物語」の主人公・光源氏が正妻・紫の上に一目惚れしたのは、光源氏が18歳、紫の上がわずか9歳の頃だったそうです――このことからもわかるように、遥か昔から文学作品のモチーフとなっている“歳の差恋愛”。今回私がおすすめしたいのは、“歳の差恋愛”が描かれている現代の小説、三冊です。

 

哀しい予感

 

哀しい予感 (幻冬舎文庫)

一冊目は「哀しい予感」(吉本ばなな著)。

1989年に発売されるや否やベストセラーとなり、その名を残し続けている名作です。その根強い人気は衰えることがなく、2007年には市川実日子×加瀬亮主演で舞台化もされています。不思議な記憶を持つ主人公の弥生と、弥生の義弟・哲生。あまり会ったことがないのに親しみやすい弥生のおば・ゆきのと、高校教師であるゆきのの教え子・正彦くん。錆びついた歯車がゆっくりと回り出すように動き始める弥生×哲生、そしてゆきの×正彦くんの、2つの“年の差恋愛”模様を、どうか最後まで見届けてみて下さい。かつて一度は読んだことがあるという方も、この機会に再読してみるのはいかがでしょうか?

 

東京タワー

 

東京タワー (新潮文庫)

二冊目は「東京タワー」(江國香織著)。

2001年に刊行され大ヒットした長編恋愛小説です。2005年に黒木瞳×岡田准一主演で映画化されただけでなく、2014年には韓国で連続ドラマ化されるなど、長い人気を保ち続けています。主人公の大学生・透は、20歳年上で既婚者の詩史と共に、止めることのできない恋に溺れていきます。二人はどんな事件が起ころうと変わらずに逢瀬を繰り返しますが、物語の終盤にはある意外な決断を下します……。透が詩史へ募らせていく真摯な想いは、不倫と呼ぶにはあまりにもせつない透明感を放っています。これを純愛と呼ぶか、それとも道ならぬものと斬り捨てるかは、実際に読んだあなた次第。

年上の人へ憧れを持っている方や、思うようにいかない恋愛に悩みを持っている人には特に共感できる一冊ではないでしょうか。ぜひ一度手にとって欲しい一冊です。

 

センセイの鞄

 

センセイの鞄 (文春文庫)

三冊目は「センセイの鞄」(川上弘美著)。

2001年度谷崎潤一郎賞受賞作品の本作は、2003年に小泉今日子×柄本明主演でテレビドラマ化されただけではなく、その後も次々と漫画化・舞台化・ラジオドラマ化されています。既に読んだことのある方も、タイトルを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?主人公のツキコさんは37歳、独身OL。ある日、行きつけの居酒屋で30歳離れた高校時代の恩師と再会します。

それ以後、たびたび顔を合わせて杯を重ねて行くうちに、ツキコさんの想いはゆっくり、ゆっくり変化していきます…。読み始めは“どこが恋愛小説なの?”と疑問に思うかもしれませんが、そこはグッと我慢。ぜひ最後までじっくりと読んで欲しい一冊です。現実から決して目をそらさない、ぽっかりと穴が開いたようなラストシーンは実に見事!圧巻の一言です。まだ読んだことがないという方は、急いで手に取ってみても損はありませんよ!

 

以上が、私がおすすめしたい「歳の差恋愛がテーマの現代小説」です。どの本も恋愛の歓びと苦しみに満ち溢れた、奥行きの深い物語ばかりです。恋愛中の方もそうでない方も、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

 

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