「花の女王」といわれるバラ。ゴージャスなイメージで、その香りは繊細で女性を虜にする花。化粧品や香水などにも使用されています。ただそこに存在するだけで、場の雰囲気が華やかになる情熱的な美しさ。触れるとトゲでケガをしてしまうという危うさ。そんなバラの魅力がつまった本を紹介いたします。
「フランスの美しい バラの村、スミレの村」
後藤 綺子,斉藤 亢・作
バラの村「ジェルブロア」に住む、パリのファッション界を引退したマダム・キャペロ。スミレの村「トゥーレット・シュール・ルー」に住むアーティストのマダム・コルバン。花とともにフランスの小さな村で麗しく生きる二人の女性の生活を写しだした写真集。村の風景に溶け込んだ路地や壁につたうバラやスミレを眺めていると、フランスの田舎を散歩しているような気分になります。花屋さんで見るバラとは違い、自然に散っていく様子も美しく、日常生活に溶け込んだ素朴で可憐な姿に、新たなバラの美しさを堪能できます。
「バラの絵本」
(そだててあそぼう) はやし いさむ (編集), うの あきら (イラスト)
宇野亜喜良さんのアンニュイで官能的、少しレトロな雰囲気の絵が魅力のバラの育て方の絵本。小学5年生の孫娘に語りかけるつもりで書かれた絵本で、栽培法だけではなく、バラの品種や害虫についてなど専門的なことまでやさしい言葉で説明してくれます。ガーデニングを楽しむ方にもおすすめしたい一冊。
「薔薇猫ちゃん」
今江 祥智・作
夫からの誕生日プレゼントの薔薇の花束に隠れて新婚夫婦の元にやってきたアビニシアンの子猫の「薔薇猫ちゃん」。薔薇の花びらを食べてしまうので体からは薔薇の匂いがします。夫婦の生活に寄り添って、子猫らしいやんちゃさで二人の距離を縮めていくほのぼのとした大人のための童話、ラブストーリーです。奥さんが育てている四季折々の花が咲き乱れる庭で遊ぶ薔薇猫ちゃんがとても可愛らしく、猫好きの方にもおすすめです。
愛の象徴でもある薔薇。ギリシャ伝説では愛と美の神に捧げられた花であり、聖母マリア様は薔薇に囲まれて登場したともいわれています。心を癒し、穏やかにしてくれる香りで、女性ホルモン調整作用もあるといわれているほど。気高いバラの姿とかぐわしい香りを文章の中からも体験してみてください。
