1960年代からブームとなったラテン・アメリカ文学。日常と非現実、伝承と神話との不可思議な融合は、「魔術的リアリズム」とも呼ばれ、その独特な世界観にどっぷりはまってしまう人も。幻想的な悪夢のような世界はダリの絵画を彷彿とさせられ、シュールリアリズムの影響を受けてきたとも言われています。そんな幻想的でありつつも、良い意味で泥臭いラテン・アメリカ文学を紹介いたします・
「百年の孤独」(Obra de Garc´ia M´arquez)
百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)
ガブリエル ガルシア=マルケス・作
1982年ノーベル文学賞を受賞した「大人のための童話」であり、南米文学を代表する一冊。南米にある架空の町・マコンドの栄光と衰退、ある一族の六代にわた百年の物語が描かれています。人間の生と死、果てしなく続いていく孤独が、記憶と現代の間を行き来しながら語られます。奇妙奇天烈な展開は、筒井康隆さんのファンの方にもおすすめです。
「ブラス・クーバスの死後の回想」
(光文社古典新訳文庫) マシャード ジ アシス・作
64歳の男性が、死後に「何もなかった生前の自分」を回想するといった断章形式で160章にもわたる手記のような物語。ブラジルらしい、一文で終わるだけの章もあり、自由で明るい雰囲気、大きなものに守られているような感覚を味わえます。セルバンテスに影響を受けているというだけあって、根底はユーモアに溢れていて、ちょっとシニカル。分厚い本ですが、どこから読んでも面白い一冊です。
「ドン・カズムッホ」
マシャード ジ アシス・作
「ブラス・クーバスの死後の回想」と同じくある男性の回想記ですが、こちらは家柄・頭も良く、人間関係にも恵まれていた男が、どうして「偏屈人間」に変わっていったのかという奇妙な人生の踏み外し方がテーマです。過剰な自意識や嫉妬心は誰にでもあるもので、ちょっとしたズレによって変わっていく男の姿は滑稽でもあり、恐怖でもあります。
ストーリーを語れと言われると、どれも難しい作品ですが「世にも奇妙な物語」の個人版ツイッターを読んでいるような気持ちです。日常の中にある奇妙な歪み。ホラーが好きな方にもおすすめの本です。
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