高校生時代というのは、いろんなものに触れて感動して
人間的にも一番成長する世代ですね。
そんな何事も貪欲に吸収する能力をもった高校生に読んでいただきたい3冊をご紹介します。
『モンサンミッシェル 奇跡の巡礼地』
モン・サン・ミシェル:奇跡の巡礼地 (「知の再発見」双書158)
著・ジャン=ポール・ブリゲリ
フランスの最も代表的な観光地と言えるモンサンミッシェルは聖ミカエルに捧げる聖堂として建てられ、その後修道院として機能しさらに監獄へと変貌を遂げ、また修道院へと戻り歴史的建造物として政府に認められ、今に至るのだそうです。
まるで波乱万丈の人生を送った人みたいですね。モンサンミッシェルは島というだけでも十分魅力的なのですが、引き潮になると陸続きになるとか、しかしそこに存在する砂がものすごく怖いとかもう取り巻く何もかもが反則的なまでに面白いのです。
観光地になるのも頷けますね。フランスに行ってみたいと思っている方にオススメです。
『平行植物』
著・レオ・レオニ
本書はスイミーやあおくんときいろちゃんなどの絵本で知られるレオ・レオニが執筆した架空の植物の博物誌です。あの人、あんな素敵な絵本を作る裏でこんなことを考えてたのかという衝撃を受けます。
一冊まるごとがレオ・レオニの頭の中の博物誌などという驚異にじわじわ震えてきます。その強さと飛躍において小説や写真集などを凌ぐ贅沢さを持った本だと思います。
小学校時代に国語の教科書でスイミーを読んだ人にもう一度レオ・レオニの世界に触れてもらいたいです。
『野鳥フィールドノート』
野鳥フィールドノート―スケッチで楽しむバードウォッチング (BIRDER SPECIAL)
著・水谷高英
野鳥のイラストレーターである水谷高英が映画雑誌バーダーで連載された、全33回3年分の活動記録を書籍化しています。
月ごとのおすすめの場所、そこで出会える野鳥のイラストも新たに追加しています。
様々な環境で見られる野鳥のイラスト図鑑やフィールドノートを付けるコツなども公開されています。
バードウォッチャーが野鳥を見つけるための参考書で活動記録の書き方、イラストの書き方の見本におすすめです。
鳥好きにとっても眺めているだけでおもしろいです。この本の斬新さは野鳥の会の会員がそのフィールドノートをそのまま出版してしまったのが面白いですね。
ある種アートの本で、フィールドノートとして置いておくのもったいないです。
ただ読むだけでなく、ゆっくり味わいながら頭の中で想像してみてください。
これまで家と学校の世界以外にも驚くほど広い世界が広がっているのが分かるはずです。