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【幸田文 おすすめ本】美しい日本語で綴られたエッセイ、小説

幸田文さんの本 おすすめ3選

 凛としている、強く繊細な女性といえば幸田文さんを思い出します。作家の幸田露伴の娘として厳しくしつけられながらも、エッセイストとして排水溝にも入ってしまう勇ましさ。良い意味で腹のすわった明治の女性だなぁと尊敬してしまいます。
 美しい日本語で綴られたエッセイや小説は、タイトルだけ知っているという方や教科書で目にした方も多いと思います。易しい文体なので、中学生から楽しめる作品です。是非一度手にとってみてください。

 

台所のおと

台所のおと (講談社文庫)

 幸田 文 (著) (講談社)
 料理人の夫は病床につき、台所で妻がたてる包丁の音で自らの病状を知ってしまう。言葉はなくても、共に乗り越えてきた苦労、愛や慈しみ、そして生命の灯が消える哀しみを分かち合う音に夫婦の絆を感じさせる表題作のほか、家族と妻の在り方を描いた「祝辞」など五感を刺激させられる名作短編が収録されています。

 

木 (新潮文庫)

 幸田 文 (著) (新潮社)
 エッセイストとしての幸田さんを知ることができる一冊。樹木との出会いや感動を綴った北海道から屋久島までに渡り取材を重ねる行動力、そのなかから人間の業や生死の在り方を探る優しくも鋭い視点が素晴らしい作品です。
 立木としての命、法隆寺の1200年もの古材を前にした緊迫。手を入れる職人の息遣い。すべての息吹が美しく香りたち、ずっと傍に置いておきたい本です。

 

流れる

流れる (新潮文庫)

 幸田 文 (著) (新潮社)
 著者が小説家として有名になった日本芸術院賞新潮社文学賞受賞作品。映画化もされています。
 傾きかけた芸者の置屋に住み込み女中としてくろうとの世界に踏み込んだ梨花。花柳界で生きる女性達の悲喜を細やかな視点で描いた作品です。描写が艶っぽくみずみずしい色気に満ち溢れた文章と、切れ味の鋭い表現の使いこなしが素晴らしく、潜入レポートのようなリアルさを感じさせられます。

 

 美しい言葉を身につけたい、心の清らかな女性になりたいという方におすすめの作品です。古き良き日本の姿がここにあります。
 

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