自分らしい人生とは何か、誰もが生き方に悩む時期があるのではないでしょうか。命には限りがあります。死ぬ前に後悔しないように、今後の生き方を考える時間を持つことも重要です。人生をどう生きるのか、心の支えになってくれそうな名言などが見つかる本をご紹介します。
一切なりゆき～樹木希林のことば～
昨年亡くなられた名女優、樹木希林さんには名言集が何冊かありますが、1時間程度で気軽に読めて、言葉がスンナリと心に入ってくる本が『一切なりゆき～樹木希林のことば～』（文春新書）です。希林さんのお人柄もありますが、この本は肩肘張らずに読むことができて、読んでいるうちにどんどん背中の重荷が軽くなってくるような感覚があります。
人生に色々とルールを設けて生きている方からすると、自由奔放に生きぬいた故人の考え方は受け入れられないかもしれません。しかし考え方にはあまり共感できない方でも、自分流を通した希林さんの潔い見事な生き方には学ぶところが多いと思います。
名言「楽しむのではなくて、面白がることよ」や、内田也哉子さんにおっしゃった「おごらず、他人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」は、特に辛いことや悲しいことなどがあった時に思い出したい名言です。
巻末には、喪主代理 内田也哉子さんの挨拶や、希林さんの年譜なども書かれています。気軽に持ち運びできて気が向いた時に読める本ですが、内容の濃い1冊としてオススメです。
仕事観が変わる！ ビジネス名言550
死ぬ直前まで仕事をしていたい、仕事が人生の全てだと感じている方もいらっしゃることでしょう。そのような方には、『仕事観が変わる！ ビジネス名言550』（西東社）がオススメです。この本は、孫正義さんや稲盛和夫さんなど多くの人々に影響を与えた名経営者の珠玉の言葉や、時間帯に合わせて読みたい著名人の言葉など、数々の名言がコンパクトに読みやすくまとめられています。
どの言葉にも重みを感じますが、自分が理想とする先人達の名言が1冊になっているので、職場のデスクに置いてお昼休みなどに読むのもオススメです。心の支えとなる言葉は自分で紙に書き出してみて、目に付く場所に貼っておくなど、モチベーションが上がるように工夫することで、名言からより一層パワーをもらうことができるでしょう。
生きるのがラクになる「心の洗い方」
生きるのがラクになる「心の洗い方」: ゆっくり、じっくり――禅が教える「生活の知恵」 (単行本)
「禅の発想」で人生の様々なアドバイスをもらえるのが枡野俊明著『生きるのがラクになる「心の洗い方」』（三笠書房）です。小さな生活習慣から死に方についてまで、著者が修行によって習得した禅の視点で考える人生の過ごし方が書かれている本です。
淡々とした内容ですが、人生の一部分の出来事だけにフォーカスするのではなく、人生を俯瞰的に考える時に役立つ本です。
本は5章に分かれて書かれていますが、特にオススメなのは「5章 毎日がもっと豊かになる「禅」の知恵」です。この章は人生にやりがいがなく、生きている意味を探している方にも読んでいただきたい内容です。日々の小さなことを一つ一つ重ねることの重要さや、物事の受け止め方、死に方についてなど参考になる名言を見つけることができます。
全体的に文体も読みやすく、軽くて持ち運びにも便利です。通勤時間にも気軽に読むことができます。
このあと どうしちゃおう
子供にも悔いのない生き方をしてもらいたいと思っている社会人にオススメの本が、ヨシタケシンスケ作『このあと どうしちゃおう』（ブロンズ新社）です。『このあと どうしちゃおう』は、人気絵本作家ヨシタケシンスケ氏が、誰もが一度は疑問に思うことがある死後の世界を魅力的に描いているユニークな絵本です。
主人公の男の子はおじいちゃんが死んだ後で、おじいちゃんの生前ノートを発見します。おじいちゃんの生前ノートには死後の世界がユニークに描かれていますが、著者がこの本で一番伝えたかったことは死後の世界ではなく、死ぬまでにどうやって生きたいのか、という問いかけなのではないかと思います。
おじいちゃんのノートを読み終わった後で、主人公の男の子は自分の死後を考えようとしますが、死後のことを考えようとすると「いま いきているうちに やりたいことが いっぱい あること」に気がついたようです。
「いきているあいだは どうしちゃおう」はこの絵本の名言だと思います。
絵本を読むだけではなく、「いきているあいだは どうしちゃおう」を親子でじっくりと考えるのにオススメの1冊です。
最適な名言は人によっても、出会うタイミングによっても異なると思います。人生の支えとなるような名言に早くから出会うことができればラッキーです。人からアドバイスしてもらったり、映画を見たり、名言が見つかるチャンスは様々なところにあります。本を読むことも、自分に合った名言に出会う早道になるでしょう。
