30代ともなると会社では既に中堅社員となり、もっと上を目指して頑張りたいけれど仕事と家庭の両立に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
理想の家庭を築き、仕事も結果が出せるようになるために、参考図書としてビジネス超一流人の大前研一氏の書籍を4冊紹介いたします。
日本だけではなく海外でも活躍していた大前研一氏の著書には、ビジネスで役に立つことはもちろんのこと、これからを生き抜く子供を育てる時にも役立つメッセージがたくさんあります。
『大前語録 勝ち組ビジネスマンになるための88か条』
(小学館)
大前氏のアドバイスが凝縮された本です。簡単でわかりやすく説明がされていて、今まで大前氏の本を読んだことがない方でも読みやすいのが特徴です。早ければ1時間以内に読み終わることも可能なので、通勤で片道30分以上電車に乗っている社会人なら、その日のうちに読み終われるのが魅力です。
この本は「第1章 ビジネスマンを奮い立たせるための42か条」「第2章 最強のリーダーになるための24か条」「第3章 人生を強く生きるための22か条」が書かれています。
せっかくこの本を読むなら、ただ読むだけではなく読み終わった後から必ず1つ実行すると決めて読むことをおすすめします。実行することが勝ち組ビジネスマンになる早道です。
またこの本の中には「発想」と言う言葉が何度も出てきます。例えば、「第1章 ビジネスマンを奮い立たせるための42か条」の中には、「ボツになることを恐れずに次々と新しいアイデアを発想することが企画力を高める第一歩なのだ。企画力は天性の能力ではない、訓練の賜なのである。」と述べられています。子育て中の社会人の方は、子供が小さい頃から親子で発想力を鍛えるために次々と新しいアイデアを発想する練習をしておくと、親子のふれあいの時間も作ることができ、親も子供も将来役に立つのでおすすめです。
『稼ぐ力 自分の仕事に「名札」と「値札」をつけられるか』
(小学館文庫)
この本が書かれた2015年当時の状況ですが、日本企業の現状やこれからの日本に必要な人材などについて書かれた本です。各個人に対してのメッセージというよりは、国家や制度などに対しての意見が述べられた内容がメインとなっています。
厳しい日本の現状が書かれたこの本は、読んでいると気が重くなるかもしれません。しかし子供達の将来を考えるのならば、現実に目を向ける必要があります。
この本の良いところは、これからの人材教育についていくつかヒントが書かれていることにあります。その中には各家庭で対応できるものもあります。例えば「「世界のどこでも生きられる力」を鍛える」では、親と子供のコミュニケーションの大切さが述べられています。
この本では巻末に「大前流 プラクティカル・イングリッシュ習得法」という特別英語講座が添付されているのも魅力です。ただやみくもに英語を勉強するのではなく、どのように勉強すればビジネスで成果が出せる英語が話せるようになるのか、ヒントがたくさん書かれています。
『超訳・速習・図解 企業参謀ノート[入門編]』
(プレジデント社)
大前氏の人気書籍『正・続企業参謀』と『マッキンゼー・現代の経営戦略』を基にして、大前理論が短時間で学べるようにと書かれた本です。1章から5章まであり、コンパクトにまとめられていて読みやすいのが特徴です。
自分の仕事に役立つのはもちろんのこと、子育てにも応用できる内容がたくさんあります。
例えば「日常生活で戦略的思考力を養う2つの方法」は、すでに働いている社会人だけではなく、これから社会に出る子供達にも小学生ぐらいからトレーニングすることが可能です。書かれている方法は決して難易度の高い課題ではありません。ただし習慣をつける必要があるため、できるだけ早くからトレーニングするようにしておけば、社会人になってからも強みにつながります。
既に40代目前の社会人の方でも、今からでも習慣に取り入れることで、少しずつでも成果が出てくる効果的な方法が書かれています。
『「一生食べていける力」がつく大前家の子育て』
大前氏の実際の子育てを参考にしたい方には、『「一生食べていける力」がつく大前家の子育て』(PHP文庫)がおすすめです。文庫本なので持ち運びしやすく、読みやすい内容です。
子育て中の様々なエピソードも交えながら、どうしたら世界で活躍できるように育てられるのか、ためになるアドバイスがたくさん書かれています。
この本には子供との関係だけではなく、「夫と妻のフェアな関係」など夫婦関係のアドバイスも書かれているのでおすすめです。仕事が忙しいのに共働きで家事も子育ても夫婦でやらなければならない社会人の方も、大前氏の家族に対する考え方から学べることが多いと思います。大前氏は国際結婚していることから、日本の常識に捉われない柔軟な夫婦関係を築いており、夫婦仲を円満に続けるために参考になるアドバイスがたくさんあります。
ここ数十年は日本国内で大企業に入社すれば一生安泰と言われる平和な時代でした。しかしこれからは、アジアの他の国々が成長するにつれて日本にとって厳しい時代がくると言われています。
そのような時代を自分も生き抜かなければならないし、子供達も生き抜いていけるように育てるには、世界で活躍してきた方のアドバイスが参考になります。大前研一氏の著書は、厳しいビジネスの世界を勝ち抜いてきたからこそ説得力があるのです。