ますます国際化が進んでいる日本。街を歩いていると外国人の多さにびっくりすると同時に、職場や学校などで外国人の方と接する機会も増えてきているのではないでしょうか。
同じ国民同士でも他者を理解するということは難しいもの。言語や文化、歴史の壁を越えて一人の人間として相手を尊重することが、いずれ国同士の繋がりとなり、より豊かな社会を作り上げることになるのではないでしょうか。今回は、国際人として異文化交流を学ぶ本を紹介いたします。
異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
エリン・メイヤー(著) (英治出版)
育った環境や価値観が違うことはビジネスにおいて大きな壁となります。協調性を重んじる日本人は、一致団結し目標に向かってプロジェクトを成功させるという考え方ですが、家庭や自分の時間や都合を優先させるのが当然だという国もあり、信頼関係が崩れてしまうことも。
相手を理解するためには、言語だけではなく、お互いの文化的背景を考察することも必要です。
ビジネスに特化した本ですが、個性や価値観の違いを受け入れる寛容さについても書かれているので、ビジネスマンだけではなく多くの方に手にとってもらいたい一冊です。
ようこそ文化人類学へ: 異文化をフィールドワークする君たちへ
ようこそ文化人類学へ: 異文化をフィールドワークする君たちへ
川口 幸大(著) (昭和堂)
違いを受け止めること、そうでなくてはならないという考えから解放され、こんな考え方もあるんだと共感性と寛容性を培うのが文化人類学。家族や結婚、宗教など身近なことを古典から最新の研究成果までをまとめた一冊。
良いことだけではなく、苦しみの面についても率直に書かれています。文化人類学に興味がある方の最初の一冊としておすすめの本です。自分が抱いている「当たり前」のことが覆されていくのは愉快でもあります。
食からの異文化理解―テーマ研究と実践
河合 利光(著) (時潮社)
食は人類共通の文化。食の歴史やグルメ論ではなく、実際に調査したことやその国の企業の話についても触れられています。。食べることは生きること。切っては切れない人間と食の関係。地球環境保全のための食糧援助、食料資源確保についても書かれており、異文化の壁を越えた地球規模の「食」について考えさせられる本です。
保守的で閉鎖的な日本は国際化については、まだまだ後進国といえます。習慣の違いや文化の違いに戸惑うことも多々あるでしょう
。また、異文化に触れることによって、改めて日本の良さを再発見できることもあります。日本の良さを残しつつ、良いところは海外から取り入れてより広い視野をもって生きていきたいものです。