2019年の干支はいのしし。普段触れ合う機会のない動物で、自然環境が破壊されて人の畑を荒らすなど悪いイメージがあるかもしれません。見た目もうさぎやいぬのような小動物の可愛さはありませんが、猪突猛進という言葉通り物事に一直線に走っていく勇敢な姿やウリ坊のつぶらな瞳の可愛らしさにキュンとくる個性的な動物です。今回は、そんないのししの魅力を味わえる絵本を紹介いたします。いのししのように強い生命力をもった子に育ちますように。
椋鳩十のイノシシ物語
椋 鳩十(著) (理論社)
田舎町の猟師やイノシシとともに暮らしてきた人たちにインタビューをしてつくられた短編集。自然破壊や環境の変化、異常気象によって居場所や餌を失い「害獣」とみなされたイノシシと人間の関係。子どもを守るイノシシの母の強さ、南アルプスに住む藤吉じいさんとの交流など改めて動物との関係を考えさせられる作品です。
しっかりはしれば-亥(いのしし)
五味 太郎(著) (クレヨンハウス)
猪突猛進で向こう見ずというイメージがあるいのししですが、実はしっかり世の中を観察しています。スピードがあると思うのは他人の基準だからこそ。いのししくんにとっては普通のスピードです。人それぞれ得意なやり方がある。個性を生かして生きていこうと思わせてくれる絵本です。
イノシシとお月さま
谷 真介(著) (佼成出版社)
福岡地方に伝わる昔話をアレンジした絵本。きれいなお月見の夜。いろんな動物たちが十五夜の出し物を考え、イノシシ兄弟は相撲をとることに。イノシシの力強さと動物たちの素朴なやさしさが味わえるクラシックな絵本です。
シートン動物記 イノシシの勇者 フォーミィ
レイザーバック・フォーミィ―誇り高きイノシシの勇者 (シートン動物記 5)
アーネスト・T・シートン(著) (童心社)
ヨーロッパから家畜としてアメリカに渡ったブタが野生化してイノシシとなり、レイザーバックと呼ばれているそうです。クロクマに家族を殺されたイノシシのフォーミィは13歳の少女に育てられました。少女がヘビに襲われたとき、口笛ひとつで助けてくれる勇者のフォーミィ。人との交流やクマとの闘いなど野生的でスリルに満ちた作品。完全翻訳版、シートン自身の絵を採用した保存版です。
いのしし年生まれの人は、何事も一生懸命にやり遂げる粘り強さと行動力があるそうです。バイタリティに飛んだ知性と母性を持ち合わせたいのししのパワーを受け取ってくださいね。