絵本の読み聞かせで困るのは、複数の子どもたちを相手にするとき。男の子、女の子、年齢によって興味あるものが違うもの。一人が興味なくそっぽを向いてしまうと、まわりのお友だちとおしゃべりしだしたり、いたずらをしたり。そんな悩みを解決してくれるのがたべものの絵本です。大人でもたべものの話となると、苦手なひととでも会話が弾むことはありませんか?
好き嫌いがなく、おいしくごはんを食べることは子どもの仕事のひとつ。たくさん食べて大きくなぁれ!
れいぞうこのおくのおく
うえだ しげこ(著) (教育画劇)
チーズが大好物のすずちゃんのおうちにやってきたチーズの「ぼく」は冷蔵庫のおくに置き去りに。青かびや赤かびが生えてきてチーズゾンビになる前に、なんとか冷蔵庫の前に踊りだそうと頑張るチーズ。頑張って自己アピールするチーズが可愛らしく、子どもたちは冷蔵庫の奥が気になって仕方なくなるでしょう。おうちの冷蔵庫にも一生懸命前に前に進んでくる食べ物がいるかもしれません。
オムライスパーティー
たちもと みちこ(著) (教育画劇)
こぶたちゃんの畑でできた真っ赤なトマト。お母さんはケチャップをたくさん作ります。おすそわけにでかけたこぶたちゃんは、行く先々でお野菜のおすそわけをもらい・・・。みんなで楽しくオムライスを作り、いっしょに食べることの楽しさ!自然がくれためぐみをみんなで「おすそわけ」していただきます。たまご、お野菜、真っ赤なケチャップ。にぎやかな動物たちがたくさん登場する絵本です。
チキンライスがいく。
はらぺこめがね(著) (あかね書房)
チキンライスに足が生え、てくてく歩きだすシュールさ。自分とよく似た形に出会いびっくりしながらも「な~んだ」と言いながら気にせず歩きだすひょうきんなチキンライス。チキンライスとそっくりなものをあてっこしながらページをめくると盛り上がるユーモア絵本。シンプルなのにおいしそうなイラストがより親しみを感じさせてくれます。
くだもの ぱくっ
彦坂 有紀,もりと いずみ(著) (講談社)
浮世絵の技法を使い、木版画で描かれたほんものそっくりのおいしそうな果物たち。切って、むいて、まるかじりして。みかん、バナナ、ぶどう、メロン、マンゴー、りんご、いちご・・・いろんなくだものをぱくっと食べてしまいたい柔らかい色彩のリアルな絵本です。
食が細いお子さまもこの絵本を読むと食欲がわくかもしれません。今夜のごはんは何かな?と楽しみにしてくれると作る側も嬉しくなります。一緒にキッチンに立って絵本のたべものを作ってあげてください。