ゴダールとは?
60年代フランスで活躍した映画界の寵児との呼び声の高いゴダール。ヌーヴェル・ヴァーグの旗手と呼ばれ、伝統的スタイルにとらわれない自由なカメラワーク、ビビッドなフレーミングでメッセージ性の強い映画を作り続けました。
代表作について
「勝手にしやがれ」「気狂いピエロ」など数多くの代表作があり、女優アンナ・カリーナの夫としても有名です。アメリカの商業映画からの独立を宣言し、政治的メッセージを伝え始めるようになり、現代のフランス映画の特徴であるように監督自身が作品を通じて観客に疑問を問いかけるような作品を作りはじめた人物です。その素顔はとても偏屈で変わり者であったとも言われています。ゴダール映画は今見てもオシャレでポップ。登場する女優さんたちもキレイで目の保養にもなります。今回は、ちょっとハイエンドな気分に浸りたいとき、ゴダール映画のファンの方にもおすすめの本を紹介いたします。
ゴダール 映画史(全)
ジャン=リュック ゴダール(著) (筑摩書房)
ゴダール自身が語る映画史。過去の大作映画とともにゴダールの思想が分かります。インタビュー形式なのでとても読みやすく、ところどころエスプリのきいた皮肉っぽい文章にゴダールらしさを感じます。時代は文学から映像へ。文盲教育という観点は「見ることの可能性」について語られています。現代でも刺激にあふれる文章。映画ファンの方にもおすすめの一冊です。
ゴダールと女たち
四方田 犬彦(著) (講談社)
ジーン・セバーク、アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジェーン・フォンダ、アンヌ=マリ・ミエヴィルとフレンチファッションが好きな人にはアイコン的存在のモデルや女優さんと愛し合っていたゴダール。その変わり者ぶりからプライベートでは愛想をつかされ、女性のほうから逃げ出してしまう始末。作品のミューズとともに変化するゴダールの作品。新しい視点でゴダールを語った一冊です。
ゴダール的方法
平倉 圭(著) (インスクリプト)
ゴダール映画ファンにおすすめのひとつひとつの作品が細かく分析された本。独創的で一般人には理解できないとも言われるゴダールのものの見方。哲学的・美術的角度から分析しています。映画の見方だけではなく、世界の見方まで変わってしまいそうな革新的一冊です。
あれこれ難しく考えず、感じるままに受け取るのがゴダール映画の醍醐味ではありますが、一歩踏み入って理解しようと努めると、絡まった糸がほぐれるような感覚になりクセになっていきます。ゴダール映画、意味が分からないと思っている方にも是非おすすめしたい本です。