苦労続きの人生でも独自の美学に基づいて生きる姿勢、偏見の激しい時代でも同性愛者であることを告白し、スピリチュアルな世界にも精通している三輪さんは、どこか人間離れした美しさをもった人。時代に流されない美しさ、心に響く歌と演技力をもった役者さんでもあり、人生経験が豊富でためになる話がたくさん聞けます。すさんだ世の中だからこそ心に響く本を厳選しました。是非手にとってみてください。
愛の話 幸福の話
美輪 明宏(著) (集英社)
女性誌MOREで掲載されたエッセイ。無償の愛について、幸せとはどういうことか。忘れられた大切なものを思い出させてくれる本です。美意識の感覚や自分のプライドの保ち方、感謝の気持ちをもって生きること。正しい自分なりの視点をもって情報に惑わされずに生きること、文化について。何を大切にして生きていけばいいか、時にバッサリ切りながら前向きに背中を押してくれます。瀬戸内寂聴さん、及川光博さんとの対談も収録されています。
乙女の教室
美輪 明宏(著) (集英社)
現代の日本人女性が忘れてしまった奥ゆかしさや品、恥、思いやり、微笑み、感謝など日本の美徳について実践するためのエッセイ集。巻末に三輪さんが大切にしている50の言葉を辞典風に解説されていて、成熟した大人の女性のたしなみが学べます。色気の正体は「上品な優しさ」「この女は絶対オレに恥をかかせない」と思わせる優しさが色気など、ストンと心に落ちる言葉がたくさん書かれています。
美輪明宏のおしゃれ大図鑑
美輪 明宏(著) (集英社)
三輪さんが愛する美しいもの、ファッションやインテリア、音楽、映画、建築など多くの分野にわたって美しいものに触れることができる素敵な一冊。1920年代やアールデコについてなど文化や教養を身に着けることができます。美しいものに触れ、文化を忘れなければきっと幸せな世の中になる。街を歩く一人の人間としてアートの一部になるような生き方を提案してくれる本。キリリと背筋を伸ばせておしゃれをしたくなる一冊です。
戦後のものがなかった時代、ホームレスを経験しても常にぶれずに美しさを追及してきた三輪さん。いくつになってもお美しく気高く近寄りがたい雰囲気もあるのに、そっと歩み寄ってくれる姿は優しい天使のよう。三輪さんの本は優しさと愛に満ちています。老若男女問わずにおすすめの本です。