教育のために子どもに日本語の楽しさを教えたい、社会人になってからもっと日本語の美しさを知りたいなど、様々な事情で日本語学習の教育に関するサイトやアプリ、書籍を探している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方におすすめの本を紹介いたします。
日本語は面白い。
「言葉図鑑」
五味太郎監修・制作「言葉図鑑」シリーズ全10巻は、「うごきのことば」や「ようすのことば」、「くらしのことば」など、日常生活に溢れている様々な言葉を種類に分けてわかりやすく教えてくれる児童書です。絵本作家として長年活躍なさっている五味太郎氏の独特の絵が特徴です。
それぞれの登場人物の動きや顔の表情、状況が子どもでもはっきりとわかるように描かれているので、理解しやすく楽しみながら言葉を覚えることができます。
ここがおすすめ
例えば「ようすのことば」では、4月から始まって3月まで毎月の出来事に合わせた様々な「ようすのことば」が書かれています。歩いている人を表す言葉にも「てくてく」や「とぼとぼ」、「のろのろ」など数多くのシチュエーションでこんなにもたくさんの種類があるのか、と社会人でも驚くほど多くの言葉が使われています。
巻末には「まとめ」として本の中に出てきた言葉があいうえお順でイラスト付きでまとめられているのも嬉しいポイントです。本を見た時には見つけられなかったけれど、まとめを見て面白そうなものがあったらそのページに戻って探して見る楽しさもあります。
全部で10巻ありますが、種類によって分かれているので、子供が小さい頃から1冊ずつ買って一緒に言葉遊びをしたり字を読む練習をするなど、本格的な学習の前に子どもに興味を持ってもらうのに最適な児童書です。
「美しい日本語の辞典」
日本語の素晴らしさを再認識したい社会人におすすめなのが小学館辞典編集部編「美しい日本語の辞典」です。昔は日常会話でも使われていたけれど、現代では滅多に使うことがないような懐かしい言葉が記録されている辞典です。
ここがおすすめ
この辞典は「後世に残したい日本語」「自然を友としてー雨・風・雲・雪・空の名前」「擬音語・擬態語」の項目に分けて書かれています。教育課程ではほとんど習うことのない、代表的な日本の色名117色がカラー口絵に収められているのが魅力です。
各言葉が使用されている文学作品の該当箇所も紹介されており、意味だけではなく使用例も味わって楽しむことが可能です。辞典なので小説とは違いますが、実用的な辞典というよりは長年育まれてきた美しい日本語を、小説を読むようにじっくり味わいたい社会人におすすめの1冊です。
この本を読む時は、休日の午前中などにお気に入りの飲み物を用意して、ゆったりと流れる時間の中で読むと言葉の美しさに浸ることができます。また、黙読するだけではなく気に入った言葉は口に出して読んで、美しい響きも味わってもらいたい本です。
日本語学習というと、言葉や文法などをしっかりと学んで正しい言葉遣いに気をつけたり、間違えないように読み書きすることが教育では優先されることが多いと思います。
しかし、どの言語を学ぶ時にも重要なのは楽しく学ぶこと、新しい発見をしてどんどん知りたいと言う欲求を持ち続けることだと思います。ここで紹介した本は、どちらも日本語の新しい発見や面白さを見つけられる本です。