子どもの読書習慣は、難しい本を早く読ませることよりも、「最後まで読めた」という小さな成功体験を増やすほうが続きやすい。
今回は、絵本の次に手に取りやすい幼年童話から、低学年向けの人気シリーズ、中学年以降に進みたい少し長めの物語まで、読書の階段を上りやすい8冊を選んだ。
- 読む目的別の入り口
- 子どもの読書習慣は「読ませる」より「読み切れた」を増やす
- 読み聞かせから一人読みに移る幼年童話
- 低学年の読書量を増やす人気シリーズ
- 少し長い物語へ進むための一冊
- 活字が苦手な子と、毎日の短い読書を支える本
- 関連グッズ・サービス
- まとめ:子どもの読書習慣は、合う本を順番に置くと続きやすい
- FAQ
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読む目的別の入り口
本を選ぶときは、学年だけで決めるよりも、いまの子どもがどんな読み方なら最後まで行けそうかを見るほうがいい。最初から正しい本を選ぼうとしすぎず、まずは「読めた」と言える一冊に出会うところから始めたい。
- 読み聞かせから一人読みに移りたいなら、1.いやいやえん、2.ふたりはともだち、3.エルマーのぼうけんが入りやすい。
- 笑いや謎解きで読書量を増やしたいなら、4.かいけつゾロリのドラゴンたいじ、5.おしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけん、7.グレッグのダメ日記が助けになる。
- 毎日の短い読書や、少し長い物語へ進みたいなら、8.10分で読める伝記 1年生、6.ルドルフとイッパイアッテナを候補にしたい。
子どもの読書習慣は「読ませる」より「読み切れた」を増やす
子どもに本を読んでほしいと思うとき、大人はつい「ためになる本」「語彙が増える本」「国語力につながる本」を探したくなる。もちろん、それは間違いではない。けれど、読書の入り口でいちばん大事なのは、内容の立派さよりも、本を開いたときに子どもが逃げ出さないことだ。
小学校に入ったばかりの頃は、ひらがなが読めても、文章を追う体力はまだ育っていない。1ページ読むだけで疲れる子もいる。音読がたどたどしい子もいる。そこで分厚い児童書を渡されると、本そのものよりも「最後まで読まなければならない」という重さだけが残ってしまう。
だから最初は、短くてもいい。大人が横にいてもいい。声に出して読んでも、半分だけ読んでも、次の日に続きを読んでもいい。読書習慣は、毎日きれいに読書時間を取ることから始まるのではなく、「昨日より少し読めた」「この話は最後までわかった」という感覚から育つ。
もう一つ大切なのは、子どもが選べる余白を残すことだ。親が良いと思う本と、子どもが今読みたい本はずれることがある。大人から見るとくだらなく見える笑い、何度も出てくるお決まりの展開、ページの端にある小さな絵。そういうものが、子どもにとっては次のページへ進む理由になる。
今回の8冊は、年齢順にただ並べたものではない。読み聞かせの延長で楽しめる本、短編で達成感を作る本、シリーズで自然に冊数が増える本、活字が苦手な子の逃げ道になる本、少し長い物語へ進む本。それぞれに役割がある。
読書を「勉強の準備」としてだけ見ると、子どもの好き嫌いを見落としやすい。けれど、本を読む子に育ってほしいなら、まずは本棚の前で迷う時間や、表紙を見て選ぶ時間も含めて、読書の一部として見守りたい。静かな部屋で背筋を伸ばして読む本だけが、読書ではない。寝る前の布団の中、雨の日のリビング、学校から帰ってきたあとの少しぼんやりした時間にも、本は入り込める。
読み聞かせから一人読みに移る幼年童話
1.いやいやえん(福音館書店)
『いやいやえん』は、絵本から児童書へ移る時期に、最初の橋になってくれる一冊だ。舞台は保育園。主人公のしげるを中心に、子どもたちの日常や空想が、少し不思議で、少しわがままで、でもどこか身近な手触りで描かれている。
この本の良さは、子どもを「よい子」に整えすぎていないところにある。いやだと言う。逃げる。ふざける。自分の思い通りにならないとむくれる。大人から見ると困った行動も、物語の中では子どもらしい勢いとして生きている。そこに説教の匂いが強くない。
読書習慣をつけたいとき、最初の本が道徳的すぎると、子どもは本を「注意される場所」と感じることがある。『いやいやえん』は、その点で入り口に向いている。物語の中にあるのは、正しい答えよりも、子どもの目線で見た世界の大きさだ。保育園の部屋、庭、友だちとのやりとりが、子どもにとっては一つの冒険になる。
文章量は絵本より多いが、大人が読み聞かせると耳で追いやすい。最初は一人で読ませようとせず、何日かに分けて読むくらいでちょうどいい。子どもが途中で笑ったり、「これ知ってる」と言ったりしたら、そこが入口になる。物語を理解できているかを確かめるより、同じ場面を一緒に面白がるほうが、この本には合っている。
特に、絵本は好きだが、文字だけの本になると急に身構える子に向いている。ページを開くと、まだ大人の声に頼りながら読める安心感がある。けれど、話のまとまりはしっかりしているので、「本を一冊読んだ」という感覚も残る。
子どもが少し疲れている日にもいい。長い冒険に出る気力はなくても、保育園の延長のような世界なら入っていける。自分の生活と地続きの場所から物語が始まるので、読書が特別な作業になりにくい。
『いやいやえん』を読み終えると、本は立派な子になるためだけのものではなく、自分の中にあるわがままや不思議な考えも受け止めてくれる場所だと感じられる。読書の最初にその感覚を持てることは、思っている以上に大きい。
2.ふたりはともだち(文化出版局)
『ふたりはともだち』は、がまくんとかえるくんの友情を描いた短い物語集だ。1話ごとの長さがほどよく、絵も多く、低学年の子どもが「今日はここまで」と区切りながら読みやすい。
この本は、読書習慣を作るうえでとても使いやすい。理由は、短いからだけではない。一話ごとに気持ちの動きがあり、読んだあとに小さな余韻が残るからだ。手紙を待つ、なくしたボタンを探す、友だちを喜ばせようとする。出来事は大きくないのに、子どもにも大人にもわかる感情がそっと置かれている。
読書を始めたばかりの子にとって、長いストーリーを最初から最後まで覚えておくのは難しいことがある。『ふたりはともだち』は、その負担が少ない。短い話の中で始まりと終わりが見えるので、読み切った満足感を積みやすい。今日は1話、明日はもう1話。そうやって本に戻る理由を作れる。
がまくんとかえるくんの関係もいい。どちらかが完璧で、どちらかが助けられるだけではない。心配したり、勘違いしたり、落ち込んだりしながら、二人は一緒にいる。友だちとの距離感に少し敏感になってくる年齢の子にとって、この静かなやりとりは自然に届く。
活字に慣れていない子には、親子で交互に読む方法も合う。大人が一段落読み、子どもが短い会話を読む。あるいは、がまくんとかえるくんで役を分ける。そうすると、読むことがテストではなく、声を出して遊ぶ時間になる。
学校で少し疲れた日、友だちとうまくいかなかった日にも、この本は強すぎない。励ましの言葉を押しつけず、ぬるいお茶のような温度でそばにいてくれる。読書を「がんばる時間」にしたくない家庭ほど、こういう本があると助かる。
読み終えたあと、子どもは大きな感想を言わないかもしれない。それでも、がまくんとかえるくんの名前を覚え、ふとしたときに「もう一つ読んで」と言うなら十分だ。短い物語を積み重ねる経験は、次に長い本へ進むための土台になる。
3.エルマーのぼうけん(福音館書店)
『エルマーのぼうけん』は、一人読みへの移行で大きな成功体験を作りやすい本だ。少年エルマーが、どうぶつ島に捕らえられた竜の子を助けに行く。物語の目的がはっきりしていて、地図や持ち物、出会う動物たちの場面が、子どもの好奇心を次のページへ引っ張っていく。
この本が長く読まれてきた理由の一つは、冒険の構造がとてもわかりやすいことだ。知らない島へ行く。困った場面に出会う。持ってきた道具を使って切り抜ける。子どもは、ただ物語を追うだけでなく、「次はどうするんだろう」と考えながら読める。
読書習慣を作るうえで、「続きが気になる」は強い。大人が何度声をかけても読まなかった子が、物語の途中で止められると自分から本を開くことがある。『エルマーのぼうけん』には、その力がある。文章を読む目的が、勉強ではなく救出の行方になるからだ。
ただし、いきなり一人で全部読ませようとすると、少し長く感じる子もいる。最初は読み聞かせで数章進み、途中から「ここだけ読んでみる」と渡すくらいがいい。物語の世界に入ってからなら、子どもは文字を追う負担を忘れやすい。
この本は、冒険が好きな子だけでなく、図や地図を見るのが好きな子にも向いている。エルマーが持っていく品物や、どうぶつ島の様子には、手で触れられそうな具体性がある。リュックの中身を一つずつ確かめるような楽しさがあり、ページの外で「自分なら何を持っていくか」と話が広がる。
本を読むことに少し自信がつき始めた時期に読むと、特に刺さる。短い話は読める。でも、もう少し長い本にも挑戦してみたい。そんな段階で『エルマーのぼうけん』を読み切れると、子どもの中に「自分は物語を読める」という感覚が残る。
読後には、同じシリーズへ進みたくなる子も多い。ここで大切なのは、読み終えた直後に感想文のようなものを求めすぎないことだ。まずは「竜、助かってよかったね」「あの道具が役に立ったね」と、物語の余韻を一緒に持つ。それだけで、次の一冊への扉はかなり開いている。
低学年の読書量を増やす人気シリーズ
4.かいけつゾロリのドラゴンたいじ(ポプラ社)
『かいけつゾロリのドラゴンたいじ』は、読書量を増やしたい時期に頼りになるシリーズの入口だ。まじめな物語だけではなかなか本に向かわない子でも、ゾロリのいたずら、ダジャレ、勢いのある展開には乗りやすい。
この本を選ぶ意味は、読書を少し軽くしてくれるところにある。子どもの本選びでは、大人が「良い本」を意識しすぎるあまり、笑いの本を下に見てしまうことがある。けれど、読書習慣をつける段階では、笑ってページをめくれる本はとても強い。文字を読む理由が、知識や感動だけでなく「次のくだらないことを見たい」でもいいのだ。
ゾロリシリーズは、絵と文章のバランスも入りやすい。ページを開いたときに文字だけで圧倒されない。吹き出しやイラスト、遊びのある紙面が、読書への抵抗を下げてくれる。活字の壁が高い子にとって、この見た目の軽さは大切だ。
一方で、ただ軽いだけの本ではない。話には目的があり、展開があり、読者を先へ進ませる仕掛けがある。子どもは笑いながら、人物の動きや場面の変化を追っている。本人は遊んでいるつもりでも、実際にはかなりの量の文章を読んでいる。
読書が苦手な子に対して、大人が「これなら読めるでしょ」と上から渡すと、かえって反発されることがある。ゾロリは、机の上に置いておくより、親も少し面白がってしまうくらいがいい。「これ、何やってるの」と一緒に覗き込むと、本が課題ではなく共有物になる。
特に、学校の音読や教科書の文章で読むことに疲れている子に向いている。整った文章を読む力も大事だが、読書の入口では、少しふざけた本が逃げ道になる。逃げ道があるから、本そのものが嫌いにならずに済む。
シリーズものとしての力も大きい。一冊読み終えると、次に読む本を探すハードルが下がる。主人公を知っている、世界観を知っている、読むテンポもわかっている。その安心感が、冊数を自然に増やしてくれる。読書習慣は、毎回まったく新しい世界に飛び込むより、慣れたシリーズへ戻ることで育つことも多い。
5.おしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけん(ポプラ社)
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『おしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけん』は、謎解きの楽しさを使って、低学年の自力読みを支えてくれる本だ。読むだけでなく、探す、考える、気づくという動きがあるので、じっと文章を追うのが苦手な子でも入りやすい。
このシリーズの強さは、子どもがページの中に参加できることだ。文字を読むだけではなく、絵の中の手がかりを探したり、暗号を考えたりする。読書が受け身の時間にならず、遊びの延長として進んでいく。
読書習慣を作りたい家庭では、「ちゃんと文章を読んでいるか」が気になることがある。けれど、最初から文章だけに集中させようとしなくてもいい。絵を見る時間、手がかりを探す時間、もう一度ページを戻る時間も、物語を理解するための大切な動きだ。
『おしりたんてい』は、ユーモアが前に出ている一方で、事件を追う流れがある。子どもは笑いながらも、誰が何をしたのか、どこにヒントがあるのかを考える。これは、物語を読む力にもつながる。登場人物、出来事、順番、理由。国語の授業で扱うような要素が、遊びの中に自然に混ざっている。
この本は、読み聞かせを卒業しかけているが、一人で長い文章を読むにはまだ不安がある子に向いている。大人が横に座り、「どこが怪しいと思う」と聞くと、子どもは文章より先に事件へ入っていける。そこで気持ちが乗れば、文字を読むこともついてくる。
少し落ち着きがない日にも合う。静かに最後まで座って読むことを求めるより、ページを行ったり来たりしながら楽しむほうが、この本らしい。読書を「動かずに我慢する時間」にしないで済む。
読み終えたあとに、同じシリーズへ進みやすいのも魅力だ。子どもは好きなキャラクターに再会したくなる。大人が思う以上に、その再会の力は強い。一冊ごとに新しい事件がありながら、安心して戻れる場所がある。本棚に数冊並ぶと、読書が習慣というより、いつもの遊び場になっていく。
少し長い物語へ進むための一冊
6.ルドルフとイッパイアッテナ(講談社)
『ルドルフとイッパイアッテナ』は、読書に慣れてきた子が、少し長い児童文学へ進むときに置きたい一冊だ。黒猫のルドルフが、思いがけず遠くへ運ばれ、そこで大きな野良猫イッパイアッテナと出会う。家に帰りたい気持ちと、新しい世界を知っていく時間が重なっていく物語である。
ここまでの本が「読み切れた」という成功体験を作る本だとすれば、この本は「物語の中でしばらく過ごす」力を育てる本だ。登場人物の関係も、場面の広がりも、短いシリーズものより少し厚い。読み終えるまでには時間がかかるかもしれない。けれど、その時間があるからこそ、読後に残るものも深くなる。
ルドルフは、ただかわいい猫として描かれるわけではない。知らない場所で戸惑い、学び、少しずつたくましくなる。イッパイアッテナも、頼れる存在でありながら、単純な先生役ではない。二匹の関係には、子どもが成長していくときの距離感がある。助けてもらうだけではなく、自分で考えるようになる。その変化が物語の芯になっている。
この本は、低学年の終わりから中学年以降に特に向いている。短い話は読めるようになったが、まだ長い本には不安がある。そんな時期に、数日かけて読む本としてちょうどいい。寝る前に少しずつ読んでもいいし、休日にまとまった時間を取ってもいい。
読書が好きになり始めた子には、物語の奥行きを感じるきっかけになる。一方で、活字が苦手な子にいきなり渡すと重く感じる場合もある。その場合は、最初の数章を読み聞かせて、ルドルフがどんな状況に置かれているかを一緒につかんでから渡すと入りやすい。
この本が刺さるのは、子どもが少し大きくなり、家や学校以外の世界を意識し始めたときだ。いつもの場所から離れる不安。知らない相手と関わる緊張。強がりと心細さ。その感覚を、猫の物語として受け取れる。
読み終えたあとには、ただ「面白かった」だけでなく、世界の広さのようなものが残る。家に帰ること、誰かに教わること、自分で考えて動くこと。そうしたテーマが、説教ではなく冒険として届く。読書習慣が少し育ってきた子に、次の段階を見せてくれる一冊だ。
活字が苦手な子と、毎日の短い読書を支える本
7.グレッグのダメ日記(ポプラ社)
『グレッグのダメ日記』は、活字の本に苦手意識がある子にとって、かなり頼れる入口になる。日記形式で、イラストも多く、文章の密度が重すぎない。ページを開いた瞬間に「無理そう」と思わせにくい本だ。
読書習慣というと、どうしてもきちんとした物語を最初から最後まで読む姿を想像しやすい。けれど、すべての子がその形から入れるわけではない。文章が長いと疲れる子、行間を追うのが苦手な子、そもそも本に良い思い出が少ない子もいる。『グレッグのダメ日記』は、そういう子に「本ってこういう形でもいいんだ」と思わせてくれる。
主人公グレッグの日常は、立派でも優等生でもない。失敗もするし、ずるいことも考えるし、情けないところもある。そこに子どもは安心する。大人が読ませたい模範的な主人公ではなく、少しだらしなくて、でも妙に人間らしい主人公だから、読み手が身構えない。
イラストが多いことを「文章を読まないのでは」と心配する必要はない。むしろ、絵があるから場面をつかみやすくなり、文章を読む負担が下がる。日記形式なので、一気に読まなくても区切りやすい。数ページ読んで閉じても、また戻ってきやすい。
この本は、読書が苦手な子に「まずはこれなら読めるかも」と渡したい本だ。特に、教科書の文章や感想文で本への抵抗が強くなっている子には、きれいな読書体験よりも、笑いながらページをめくれる経験のほうが先に必要なことがある。
ただし、好みは分かれる。静かな物語や昔話が好きな子には、やや騒がしく感じるかもしれない。その場合は無理にすすめなくていい。この本は、活字への抵抗を下げたい子、漫画から文章の本へ少し寄せたい子、長い物語に入る前に読む体力をつけたい子に向いている。
読後に残るのは、深い感動というより、「本を一冊読み通せた」という軽い達成感だ。そして、読書習慣の初期には、その軽さが大事になる。重い感動を毎回求めると、本は疲れるものになる。軽く読める本があるから、長い本へ戻る力も残る。
8.10分で読める伝記 1年生(Gakken)
『10分で読める伝記 1年生』は、毎日の短い読書を作りたい家庭に向いている。1話ごとに区切って読めるので、「今日はここまで」が決めやすい。読書時間を長く取れない日でも、少しだけ本に触れる習慣を残せる。
この本の良さは、読み切りやすさにある。伝記というと、偉人の一生を長く追う重い本を想像するかもしれない。けれど、低学年の入口では、まず人物の全体像をざっくり知り、「こんな人がいたんだ」と感じるくらいで十分だ。短い話の中で、努力、発見、挑戦、失敗といった要素に触れられる。
読書習慣を作るには、毎回長い物語に入らなくてもいい。むしろ、平日の夜には短い読み切りのほうが続くことがある。宿題や食事や入浴が終わったあと、寝る前に10分だけ読む。そういう生活の隙間に入りやすい本は、家庭の中で使いやすい。
学年別のシリーズとして広げやすい点も大きい。1年生版を読んでみて、文章量や難しさが合っていれば、次の学年の本へ進める。反対に少し難しければ、読み聞かせに戻してもいい。読書の階段を細かく調整できるので、子どもの負担を見ながら続けやすい。
伝記は、物語とは違う読み方を育てる。主人公が架空の人物ではなく、実際に生きた人であること。何かを見つけたり、作ったり、乗り越えたりした人の話であること。そこには、冒険物語とは別の刺激がある。子どもが「この人、何をした人なの」と聞いたら、その会話も読書の一部になる。
この本が刺さるのは、長い物語に集中する体力はまだないが、毎日少しずつ読む形なら続けられそうな時期だ。朝の支度前に一話読む家庭もあれば、寝る前の区切りにする家庭もある。どちらでもいい。大切なのは、読む時間が重荷にならないことだ。
注意したいのは、10分という目安に縛られすぎないことだ。読む速さは子どもによって違う。1話を一日で読み切れなくてもかまわない。途中で止めても、翌日続きを読めばいい。目標は時計通りに読むことではなく、「少し読んで、また戻ってこられる」流れを作ることにある。
物語の本ばかりだと乗らない子にも、伝記は別の入口になる。スポーツ、発明、芸術、科学など、子どもの興味とどこかでつながる可能性がある。読書習慣を作る本としてだけでなく、世界にはいろいろな生き方があると知る小さな窓としても置いておきたい。
関連グッズ・サービス
本を読む習慣は、気合いだけで続けるよりも、家の中に「読みやすい場所」と「選びやすい入口」を作るほうが育ちやすい。子どもに本を渡すだけでなく、大人も一緒に探したり、聞いたり、記録したりできる環境があると、本が生活の中に残りやすくなる。
Kindle Unlimited
大人が児童書や教育書を試し読みし、子どもに合いそうな本を探す入口として使いやすい。紙の本を買う前に、親が読書傾向をつかんでおくと、本選びの失敗が少なくなる。
Audible
耳から物語に入る体験は、文字を読む前の助走になる。移動中や寝る前に声で物語を聞くと、子どもが「続きが知りたい」という気持ちを持ちやすい。
読書記録ノート
読んだ日、書名、好きだった場面を一言だけ残すノートがあると、読み切れた体験が目に見える。感想を長く書かせる必要はなく、「おもしろかった」「ドラゴンが好き」くらいの短い言葉で十分だ。
まとめ:子どもの読書習慣は、合う本を順番に置くと続きやすい
子どもの読書習慣を育てるなら、最初から難しい本へ急がなくていい。絵本の次に少し長い幼年童話を読み、短編で読み切る感覚を作り、冒険や謎解きのシリーズで冊数を増やし、少しずつ長い物語へ進む。その流れのほうが、本嫌いになりにくい。
はじめの一冊として選ぶなら、読み聞かせの延長で入れるいやいやえんか、短い話で達成感を作りやすいふたりはともだちがいい。自分で物語を追う力が出てきたら、エルマーのぼうけんで「続きが気になる」経験を作れる。
読書量を増やしたい時期には、かいけつゾロリのドラゴンたいじやおしりたんてい むらさきふじんの あんごうじけんのようなシリーズが助けになる。笑い、謎解き、キャラクターへの親しみがあると、次の一冊を探す力が自然に育つ。
少し長い物語へ進みたいなら、ルドルフとイッパイアッテナを急がず読むといい。活字が苦手な子には、グレッグのダメ日記のように見た目の負担が軽い本が入口になる。毎日の短い読書を作りたいなら、10分で読める伝記 1年生を一話ずつ読む方法が続けやすい。
- 読み聞かせから始めるなら、『いやいやえん』か『ふたりはともだち』。
- 一人読みの成功体験を作るなら、『エルマーのぼうけん』。
- 読書量を増やすなら、『かいけつゾロリ』や『おしりたんてい』。
- 長めの物語へ進むなら、『ルドルフとイッパイアッテナ』。
- 活字が苦手なら、『グレッグのダメ日記』。
- 毎日少しずつ読むなら、『10分で読める伝記 1年生』。
子どもが選んだ本が、大人の期待と違うこともある。それでも、まずは否定しないほうがいい。笑える本、短い本、絵が多い本、同じシリーズばかり読む時期も、読書の土台になる。読み切れた本が増えるほど、子どもは少しずつ遠くの物語にも手を伸ばせるようになる。
本棚の前で迷う時間も、ページをめくる音も、途中で閉じてまた戻る時間も、読書習慣の一部だ。最初の一冊は、背伸びしすぎない本からでいい。
FAQ
小学校低学年の子には、まずどんな本を選べばいいか
最初は、文字量が少なめで、話の区切りがわかりやすい本を選ぶといい。絵本から急に長い児童書へ進むと、読む前に疲れてしまう子もいる。『いやいやえん』や『ふたりはともだち』のように、大人の読み聞かせと一人読みの間に置ける本から始めると、読み切れた感覚を作りやすい。
読書が苦手な子には、絵が多い本でもいいか
絵が多い本でも問題ない。むしろ、活字に苦手意識がある子には、絵や吹き出し、日記形式の本が助けになることが多い。『グレッグのダメ日記』や『おしりたんてい』のような本は、文章だけで押し切らないため、本を開く抵抗が少ない。最初から文字だけの本にこだわるより、読めた経験を優先したい。
毎日読ませたほうがいいのか
毎日読む習慣は理想だが、義務にしすぎると本が嫌いになることもある。最初は5分でも、1ページでもいい。大切なのは、読書を叱られる時間にしないことだ。『10分で読める伝記 1年生』のように短く区切れる本を使うと、忙しい日でも続けやすい。読めなかった日があっても、また戻ればいい。
同じシリーズばかり読んでいても大丈夫か
同じシリーズばかり読む時期は、むしろ読書習慣が育っている途中と考えていい。知っているキャラクターや世界に戻れる安心感があるから、子どもは自分から本を開きやすくなる。『かいけつゾロリ』や『おしりたんてい』のような人気シリーズで読む量が増えたあと、少しずつ別の本を横に置くと広がりやすい。
長い児童文学へ進むタイミングはいつがいいか
短い話やシリーズものを何冊か読み切り、「もう少し長い本も読めそう」と感じた頃が進みどきだ。無理に学年で決める必要はない。『エルマーのぼうけん』を楽しめたら、次に『ルドルフとイッパイアッテナ』のような少し厚みのある物語へ進むといい。最初の数章だけ読み聞かせて、物語に入ってから一人読みに切り替える方法も使いやすい。








