女の子なら一度はお姫さまや優雅で清純華憐な世界観に憧れませんでしたか?
大人になった今、恥ずかしくてとても口にはできないけれど、子どもの頃描いた世界観をもう一度体験できる、そんな本を紹介いたします。
「紅茶と薔薇の日々: 森茉莉コレクション1 食のエッセイ」
紅茶と薔薇の日々: 森茉莉コレクション1食のエッセイ (ちくま文庫)
森 茉莉・作
森鴎外を父に持ち、溺愛されて育った箱入り娘・森茉莉のエッセイをテーマ別に分類して文庫化されました。こちらは「贅沢貧乏」からの抜粋が多い食のエッセイです。ステェキ、ロオスト・ビイフ、スウプ、バタアなど昔ながらの表記に浪漫を感じ、パッパの饅頭茶漬けのエピソードまで楽しめます。
森茉莉にかかればこんなにも世界は美しさで満たされているのかと新たな発見もある乙女エッセイです。
「お姫さまとゴブリンの物語」
ジョージ マクドナルド・作
「指輪物語」や「ナルニア物語」にも影響を与え、「不思議の国のアリス」を書くようにすすめたのはジョージ・マクドナルドといわれているほど偉大な作家さんですが、日本ではあまり読まれていません。お姫さまはかよわく守られる存在として描かれておらず、自立して凛としていて、気品あふれる少女です。
誰の目にも映らないおばあさまとの交流、ゴブリンたちに立ち向かう勇気。信じる強さを与えてくれる一冊です。
「紫苑の園/香澄」
松田 瓊子・作
幼い頃、美智子様が愛読されたという昭和の少女小説。両親に先立たれた色白・病弱の優等生美少女と香澄を中心とした可憐なる女子寮・紫苑の園で繰り広げられる甘く清らかな青春のひととき。
続編の「香澄」はその後の恋物語。文章がみずみずしく、自然描写とキリスト信仰、良妻賢母を理想とした女性像から学問を志す女性像への変化が描かれています。日本版「若草物語」です。
さいごに
読むだけで背筋がぴんとなるような、華麗で清純な少女時代。
そんな少女時代を過ごした方も、過ごせなかった方も是非手に取ってみてください。少女漫画への憧れがある方にもおすすめです。