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【太宰治 おすすめ 作品】純文学に興味がない方にも読んで欲しい、太宰治の小説4選まとめ

純文学に興味がない大学生、社会人にオススメなのは、やはり太宰治の小説です。

今回は、太宰治から特におすすめの4冊を紹介します。

 

「人間失格」

人間失格 (集英社文庫)

まずは「人間失格」。

興味のない人でも一度でも名前は聞いたことがあるはずです。人間失格は何度も繰り返し読みましたが、人間の内面を抉り出すような読んでも辛い作品ですが、今でも人を惹きつける力を持った普遍的な作品だと思っています。人と向き合うのが怖くなるような作品ではあります。

どんな話か

主人公の葉蔵は子供の頃から人を信用することが出来ず「道化」しながら生きていきます。東京に出てからも酒とたばこに溺れて排他的な生活を送りながら、色々な女と出会います。その中で自殺未遂もして、ついにはモルヒネを打つことでモルヒネの依存症となって自分は人間を失格したのだと思い詰めていきます。実際にこの作品を書き上げた1か月後には太宰治は自殺します。自分に投影した渾身の作品だと言えるでしょう。

ここがおすすめ

「恥の多い生涯を送ってきました」という言葉が印象的な作品です。正直言えばこんな陰鬱な作品を読まなくても生活に支障はないし、逆にあまりにも精神的にまいっている時には返ってオススメはしません。

でも元気な大学生や希望を持っている若い社会人には一度は手に取って、読んで貰いたい作品ではあります。自分も現に若い時、現実的には楽しく過ごしている時に手に取って読みました。作品としてのパワーがあり、読書をしてこの作品を自分の中でどう解釈するのかはお任せします。でも人間について凄く考えさせられる価値ある作品なのでオススメしました。

 

「津軽」

津軽 (ビッグコミックススペシャル)

陰鬱な作品の代表作である太宰治作品が「人間失格」であるなら、明るい作品も紹介したいと思います。「津軽」という作品です。私は「人間失格」を読んでいたので、この作品で太宰治に向かって「よかったね」と心の中で思いそして泣きました。

 

どんな話か

作品自体は自分のルーツである津軽を旅をしながら、旧友に会って酒を酌み交わしたり、金木にある生家に行って自分の立派な家を再確認したりします。実際に太宰治の実家は名家であり、父親も地方や国会議員をしていました。そして長男はそれを受け継いで太宰治から見たら、立派な人生を歩んでいることを再確認します。自分には相容れない人生・・。

それでも最後に自分を育ててくれた「たけ」に会うところがとても感動的なのです。たけとはたけの子供の運動会があって、そこで再会します。外国人のように抱き合ったり喜びあったりするわけではありません。お互いにシャイなので、無愛想なやり取りだけです。でも太宰治は心に平穏を感じて、自分はたけに育てられたのだと強く実感します。

津軽の風景と旧友やそしてたけとの日本人的な強い愛情を持った再会でとても安堵する作品だと思います。人間失格などを描く女にだらしない太宰治だからそう思うのかもしれませんが、たけに再会した時は子供のようでこちらの気持ちもとても明るくなります。

二つの作品を読むことを是非オススメしたいです。純文学は読むのにもパワーがいりますが、読むことで自分の糧になるものがあります。スマホでSNSに一喜一憂するのもいいのですが、たまには純文学にも触れてみてはいかがでしょうか?

 

「ヴィヨンの妻」

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

他にも代表作、「斜陽」「ヴィヨンの妻」もおすすめします。
太宰治の小説には読者に優しく語り掛けてくるような作風があってこの独特の雰囲気が人気の一つとなっているのですが、「ヴィヨンの妻」などには優しいおかしみがあちらこちらにありますので読んていてほっこりと面白い時間を過ごす事ができるでしょう。
面白くて粋だな、と感じる事ができる小説ですが、これはずいぶん昔に書かれた小説です。
良いものはやはり時間を超えても良いのだな、ということを深く思い知ることができる作品といえるでしょう。

 

「斜陽」

斜陽 (新潮文庫)

「斜陽」にはおかしみはほとんど消えてしまって、それでもそれ以上に心に残る柔らかな春のような印象が特徴的です。
「斜陽」における春の重複、人生の底ともいえる悲しみに包まれた幸せなどは読み手には動揺を与えずに帰って心に深い平穏を届けてくれるという不思議な感覚さえ感じられる不思議な一冊に仕上がっています。

 

この本もおすすめ

他にも、「トカトントン」「お伽草子」など温かみのある面白い小説を展開しています。
筆者の子供たちが「小説家になりたい」といいましたら思わず「くたばってしまえ!」と言ってしまいたくなる要素に、戦術太郎や喧嘩治郎兵衛がそろって「我々は芸術家だ。」と言い出すシーンが強く作用しています。
面白い、けれども・・・と天才にあこがれながら恐れてしまう気持、このような気持ちもユニークな味わいがあってまた良いものといえるでしょう。

 

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