自分の意志を伝えるには言葉を使うのが一番手っ取り早いです。
でも言葉以外では難しいのでしょうか?いえ、決してそんなこともありません。
むしろ言葉よりも雄弁になる場合だってあるのです。
そんなコミニュケーションに関係ある絵本を3冊ご紹介します。
『ぞうのエルマー』
ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー (ぞうのエルマー (1))
著・デビッド・マッキー
あるところにたくさんの象が住んでいましたいろんな象がいましたが、皆、象色をしたゾウたちでした。でもエルマーだけはカラフルなパッチワークの象だったのです。
エルマーはふざけるのが大好きで、みんなの人気者でした。ところがある日、自分だけが象色でないことが嫌になり、木の実を潰して、体に塗りました。
象色になっているエルマーを誰もエルマーだと気づきません。そんな他の象たちの様子がおかしくて、我慢できずに告白してしまうのです。
個性を重視するあまりそれが勝手なわがままになってしまうこともあるのですが、この本でお互いに認め合い集団に相反しない個性の素晴らしさが描かれています。
自分だけが違うと悩んだり、自分探しをするお話はたくさんありますが、ほっとしたり安心感をもらって終わることが多いです。
しかしこの作品では悩む前よりももっと楽しく愉快に終わるところが素敵な本なのです。
他の人と違うと悩んでいる方は読むべき本でしょう。
『カモ少年と謎のペンフレンド』
カモ少年と謎のペンフレンド (白水uブックス―海外小説の誘惑)
著・ダニエル・ペナック
SNSがこれだけ発達した現代、誰でも身に覚えのあることになっていると思いますが文字だけのコミュニケーションには対面のものとは違う、独特の親密さが伴います。
実際に喋って意気投合するのと文字上でぴったり合うのとはまた別の話で、会ったらいくらでも話せる関係でも、手紙やメールでは全くやる気がなかったり
言葉の上では密着していても、実際に顔を合わせるとよそよそしかったりすることもあるのです。
この話は読むことと書くこと、そして語られる物語というのはそれぞれ違うものであるということを深く教えてくれる本です。
文筆業を目指しているという大学生にオススメの本です
『ことわざ絵本』
著・五味太郎
この本は五味太郎さんが見開き2ページで、ひとつのことわざを説明する内容になっています。
右のページには猿も木から落ちると言い伝えられてきたことわざが載っていて、左のページにはおまわりさんスリに遭うなど、右のページのことわざを現代的もしくは五味さん的に解釈したフレーズが掲載されています。
この本は愉快なこと、毒気のあること、かわいらしいこと、間の抜けたこと、人間の機微を知るようになこと、そして人間同士が優しくなれるという事など色々なことを教えてくれる本です。
小学生のうちに読んでもらいたい本ですね。
伝える手段はいろいろ持っていたほうがいいし、現代的なツールも使えるに越したことはありません。
でもそれに加えて気持ちをいかに正確に表現するかも常に考えるべきでしょう。