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【暗号 おすすめ本】「暗号とは何か?」その仕組みや歴史が分かるおすすめ本

暗号解読 上巻・下巻

 

著者:サイモン シン(サイエンスライター)

訳者:青木 薫

 

どういう本か

本書はケンブリッジ大学で物理学の博士号を取得しているサイエンスライターであるサイモン シンの著作です。

同氏は大学院卒業後、ジュネーブの研究所で勤務し、英テレビ局BBCへ転職後TVドキュメンタリー「フェルマーの最終定理」にて多数の賞を受賞されました。

本書は、著者の第2作として発行され、ベストセラーにもなった作品です。

暗号の歴史から現在における暗号の主流にまで、歴史的背景・人間模様を通して、その暗号の開発経緯や実際の使われ方まで細部に渡り触れられており、暗号というあまり馴染みのないものをストーリーとして理解できる内容となっています。

 

ここがおすすめ

私がこの著書の内容で特に印象に残っている箇所が、世界大戦中に開発・使用された暗号機による各国の暗号戦略の内容です。

戦争というと、飛行機、戦艦、銃火器、戦車といった兵器に注目が集まることが多いですが、この本では各国においてどういった人々がどういった形で暗号を使用し、または解読し、自国の戦争を有利に進める為の見えない戦争を繰り広げていたのかといった事が事細かに記載してあります。

当時、機密保持のため、友人に自分が行っていることを周囲に伝えることができずに苦悩している人、天才肌のため周囲から浮いていたが、暗号の解読に一躍買った人等一人一人にスポットを当てて、まるで自分が体験しているような綿密さで表現されています。

暗号の作成者と解読者の長きに渡る戦いにも多数触れられており、当時最強だった暗号が解読され、陳腐化することで新しい暗号が発明され、解読され・・・

といった大きな流れも歴史を交えて描かれています。

 

最後に

付録として、実際の暗号が巻末に多数掲載されており、自分で暗号を解くこともできる一冊となっております。

この本を通して、暗号とは何かといったことが掴める一冊となっているため、暗号に興味のある方には、社会人・大学生問わず是非おすすめです。

 

 

 

暗号解読〈上〉 (新潮文庫)

暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)

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