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文化人類学について学べる本

文化人類学とは、伝統的な風習を守る部族社会から現代的な地域社会まで、世界のさまざまな社会や地域で日常的に行われている文化的な活動について共に生活したり、現地の人々にインタビューを行ったりしながら細かな調査を行い研究する学問です。民俗学と異なるのは、文献による研究よりも現地調査を重視するところ。体験を通じての調査になるので、よりリアルな文化や生活を知ることができます。
 今回は、そんな文化人類学に興味がわいてきたという方におすすめの本を紹介いたします。旅エッセイが好きな方にもおすすめです。

 

文化人類学入門

 

文化人類学入門 (中公新書 (560))

 祖父江 孝男 (著) (中央公論社)
 日本民族学会会長の経歴をもつ著者による文化人類学という学問に取り組むにあたり、経済・言語・家族形態・民族性と各分野について解説した本。文明と無文字文化の接触について、調査される側の倫理など問題点についても触れられています。70年代に執筆された本ですが、今なお古びない根源的な知識を得るためにおすすめです。

 

恋する文化人類学者

恋する文化人類学者

 鈴木 裕之 (著) (世界思想社)
 国士舘大学教授で文化人類学専攻をしている著者はアフリカで女性アイドル歌手と結婚することに。結婚式や親戚関係などを軸に、異文化との共存や、伝統を重んじながらも変化しつづけていくことの大切さをルポルタージュのような軽妙な文章で綴られています。文化人類学のとりかかりの一冊としておすすめです。国際結婚を考えている方にもどうぞ。

 

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと

 奥野 克巳 (著) (亜紀書房)
 ボルネオの狩猟採集民プナン。人に対して感謝もしない、他人の物をとっても謝罪しない、反省もないという人たちのもとでフィールドワークをした著者の考察。現代の日本とは全く異なる価値観で生きる民族たちと生活を共にし、そこからみえてきたものや哲学的、宗教的観念から真の生活の豊かさについて考えさせられます。文化人類学の面白さを伝えてくれる一冊です。

 

 他人と自分、異なる部分をみつけると困惑したり遠ざけてしまったりします。人は習慣によってつくられるのあり、その価値観は自分が幼いころからすりこまれた価値観であると気づかされます。文化に正解はありません。だからこそ面白いのです。

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