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【伝統工芸 本 おすすめ】伝統工芸が学べる!職人たちのおすすめ本3選

伝統の匠の技を現在に引き継ぐのが伝統工芸。厳しい修練を経てその技を身につけた熟達の名人が語る話はひと味もふた味も違うものです。

 

「木に学べ―法隆寺・薬師寺の美」

木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 (小学館文庫)

法隆寺の再建に関わり最後の宮大工棟梁と言われたのが西岡常一。その語りのまとめたのが「木に学べ―法隆寺・薬師寺の美」。

薬師寺などの寺社の修復・復元に関わった際、鉄の使用を主張する、近代建築を信奉する学者たちと対立し「法隆寺には鬼がいる」と恐れられた人物です。

「千年生きた木は建物に使えば千年もつ」と鉄とコンクリが主体の近代建築を批判し、「クセのある木でも使い方」「適材適所」「木を組むには人の心を組め」と多くの人間をまとめる棟梁の心得を説きます。

 

「木工の世界」

木工の世界 (新潮選書)

早川謙之輔「木工の世界」は自作の木製品にまつわるウンチク話をまとめた本です。

木工の世界の巨人、人間国宝黒田辰秋に若くして認められた著者は伝統の指物技術を駆使し、無垢材の家具を作る市井の職人として生きてきました。

使われる木材や道具についての興味深い話、美術館の200坪の天井一面にナラの板を貼る大工事の苦労話など、職人の細かな観察眼をもって日々携わる仕事の裏話が描かれています。

木工という職業を目指す方、良質の木製品の見分け方・選び方のガイド本としても最適な一冊となっています。

 

「最後の職人伝」

最後の職人伝

全国の職人を訪ね歩き、そこで聞いた話をまとめたのが塩野米松の「最後の職人伝」。

秋田の藁細工職人、大阪の櫓櫂職人、山形の座敷帚職人など、現在は滅びてしまった、あるいは滅びつつある手作業の職人に密着してその職業の歴史や職人になろうとした動機、仕事をする上での苦労話を聞き出します。

何気なく使っている品物の中には先人が培ってきた伝統の技や知恵が隠されており、彼らの作った品物には長い試行錯誤の結果が結晶化されているのだと記しています。

非効率、非経済という名のもとに、時代と共にひっそりと消えゆこうとしている、これらの人間的な職業を著者は哀惜をもって見送っています。

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