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名曲のタイトルを冠した名作小説三選

“音楽”と“小説”は全く違うジャンルのようにも思えますが、実はそうでもありません。
ミュージシャン兼小説家であるクリエイターも多く存在しますし、ミュージシャンが作った音楽にインスパイアを受けて作品を制作する小説家も実は多く存在します。
そこで私がおすすめしたいのが、小説家が自らの作品に実在する名曲のタイトルを冠した小説です。まるで行間から名曲そのものが立ちのぼってくるような、深いインスパイアから生まれた小説を、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

「High and dry(はつ恋)」

High and dry(はつ恋) (文春文庫)

一冊目は「High and dry(はつ恋)」(よしもとばなな 著)。トム・ヨーク率いるイギリスのロックバンド“レディオヘッド”の名曲「High and dry」をタイトルに冠した小説です。著者はこの曲が収録されている2ndアルバム『The bends』を繰り返し愛聴していたことをインタビューで明かしています。
14歳の少女が年上のアーティストと鮮烈で瑞々しい初恋に落ちていくという内容は、完全にこの曲の歌詞とリンクしているわけではありません。しかし、大切な人やものから取り残されてしまうような孤独と必死に戦いながら生きる二人の物語でもあるこの小説からは、タイトル曲のスピリットが痛切に感じ取れます。小説と音楽、どちらのファンにも必読の一冊です。

 

「世界の終わり」

世界の終わり

二冊目は「世界の終わり」(宮崎誉子 著)。90年代から00年代にかけて活動し、熱狂的な支持を得ながらも人気絶頂のまま解散した日本の伝説的ロックバンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT。彼らのデビュー曲である同タイトルは、著者のデビュー小説のタイトルにも冠されました。
この曲を支配する乾いた絶望と不思議な始まりの予感がそのまま詰め込まれた、青春度100%の短編です。また、同著に収録されている短編の中には名作“リバーズエッジ”でおなじみ岡崎京子氏の作品にインスパイアされたものもあり、サブカルチャー好きにはたまらない一冊となっていておすすめです。

 

「ノルウェイの森」

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

三冊目は「ノルウェイの森」(村上春樹 著)。もはや説明するまでもないミリオンセラー小説「ノルウェイの森」。こちらのタイトルは、イギリスのレジェンドバンドTHE BEATLESの曲名から冠されています。作中には物語の冒頭に流れる「ノルウェイの森」以外にも、THE BEATLESの名曲がたくさん登場します。
それ以外にも、サイモン&ガーファンクル、ビル・エヴァンズ、セロニアス・モンク…様々なミュージシャンの様々な名曲が次々に現れますので、作中に流れる音楽を探して聴いてみるのもまた楽しいと思います。音楽にも造詣が深い著者は、他の著作で自らの小説と音楽の関係性について言及したり、音楽そのものに関する著作を出版したりもされています。興味が出た方にはそちらもおすすめしたいです。


以上が私おすすめしたい「名曲をタイトルにつけた名作小説三選」です。どの本も曲そのものを知らなくても面白い内容で、またその曲を聴いてから読むとさらに深く読み込むことのできる名作ばかりです。本と音楽、両方を楽しんでみたい方には特におすすめします。09:50

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