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生き方が分からなくなった時に読んでほしい歴史小説

私がおすすめする本は、宮城谷昌光さんが書かれたの「楽毅」という歴史小説です。

大学生の頃に、この本を初めて手に取ったのですが、社会人になった今でも、事あるごとに読み返しています。

「人が見事に生きるのは難しい。」

楽毅は冒頭でそんな呟きを残します。

 

「楽毅」

楽毅〈1〉 (新潮文庫)

歴史小説ではあるのですが「見事に生きたい」それにはどうしたら良いだろうか、と本作の主人公である楽毅は、作中何度も悩みます。楽毅は中国戦国時代の武将なのですが、国の忠義のために自分を犠牲にするのでは無く、自分も活きる道を模索します。これは、人の生き方において、とても重要なことだと私は思うのです。ただ、それがとても難しいことだとこの物語は教えてくれます。

楽毅は常に囚われない生き方を探します。それは、自分が忠義を尽くす国の王や太子であってもです。何かに囚われてしまうと、柔軟な考え方ができなくなる。それが作中の楽毅の思考の根本にあるのです。それは戦においては城や砦に拘らないた戦い方
でありますし、人の中にあっては人は常に変わってしまうことを心に留める生き方でありました。私は、そうした考え方は、非常に不安になったり寂しくなったりする考え方だと思うのです。

 

ここがおすすめ

楽毅〈1〉 (新潮文庫)

私たちに置き換えれば、それは家も家族(例えば妻子であっても)も拘ってはいけないもの、変わってしまうものだという考え方になるからです。人とはなんと孤独なものか、それを楽毅の生き方は問うているかのようにも思えます。その孤独の中にあっても、頭の上に窓を設けて風を吹き入れる、思考を決して滞らせない、そんな強さが必要である、と楽毅を読むたびに考えさせられます。なぜなら、楽毅のいうとり、恐らく人生においては孤独であることが真理であるからです。

歴史小説というジャンルでは、少なからず人の生き方を問いますが、「楽毅」は特にその色が強い、ダイレクトに語りかけてくる本であったと思います。大学生や社会人など、人生に戸惑ったとき、ふと手にしたくなる、おすすめの本です。

 

同ジャンルのおすすめの本:随筆宮本武蔵 随筆私本太平記 (吉川英治歴史時代文庫)項羽と劉邦 (上) (新潮文庫)

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