仕事で悩んだ時、本当に今の仕事が合っているのか不安になった時に読んで欲しい。
オススメ本3選を今回は紹介します。
『ハケンアニメ!』
辻村深月
アニメは今や日本のポップカルチャーを代表するものだと考えられています。しかしインターネット上に流れてきたり、テレビのニュースになったりするのはその仕事に携わっている人たちが、いかに困難な状況にあるかということばかりですね。一枚数100円という値段で動画を描き、ギリギリのスケジュールで制作して何日もスタジオに泊まり込む。でもこの小説ではそういう難しい状況でもこの仕事に携わる人たちがいるのはアニメに対して持っている愛のためだいうことの描写が描かれています。
制作の現場を綿密に調査して書かれており、アニメ業界に興味があるらしい人はもちろんおすすめです、そうでない人にとっても、きっと読んで元気になることができる一冊です。
『負けないパティシエガール』
J ・バウアー
子供の本には食べ物が出てくる作品が売れるというジンクスがあるそうです。本書のタイトルからパティシエとくれば、スイーツ満載であることを期待できますね。困難に負けないとあればきっとお菓子のパワーで困難を乗り切っていくのだろう、と予想もつきます。
明るい期待を持ちながら気楽に手に触れる本というのもいいものです。ただしこの作品の場合実は結構重い状況が書かれてもいます。元恋人に暴力を振るわれたママと主人公の女の子がアメリカ南部のメンフィスの街から着の身着のまま車で脱出するとこから始まります。この状況からただならぬ予感を感じさせますよね。
一点、読み終わった時にどうしてもカップケーキが食べたくなるので要注意です。しかも日本にカップケーキを売っているところ少ないので、本に載っているフォレスターのレシピで作ることになるかもしれませんよ。
『クローバー・レイン』
大崎梢
工藤明彦は29歳独身。大手出版社の文芸担当編集者です。ある時、担当作家の一人が久々に書いた原稿を読みその出来栄えに感動します。ヒットに恵まれず忘れられかけていた作家の作品ですが、ぜひ自社で出版させて欲しいと思うのは当然の成り行きですね。
でもこれまで順調に仕事をこなしてきたけど、実際に本を出版することの大変さがまだよくわかっていなかったし、これまでの自分が大手出版社という看板におんぶして仕事をしていたことにも気づいていませんでした。
この作品の魅力の一つは原稿が書店店頭に並ぶまでの過程と、それに関わる人々の他の他社との駆け引きの裏側を見ることです。この出版業界に身を置く社会人、この業界に就職しようと思っている大学生にオススメですよ。