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【phaさんおすすめ本】社会の普通に疲れた人へ読みたい4冊

phaさんの本は、「ちゃんと働く」「人とうまくやる」「年齢相応に生きる」といった普通に疲れたとき、肩に入った力を抜いてくれる。逃げるための本というより、自分の生活を少し軽く組み直すための読書案内として読める4冊を並べた。

 

 

読む目的別の入り口

phaさんの本は、社会の普通から少し離れるための本だ

phaさんは、京都大学を卒業後、会社員生活を経て、組織の中で働くことから距離を置いた書き手だ。インターネット、シェアハウス、読書、旅、だるさ、孤独、加齢。扱うものだけを並べるとばらばらに見えるが、根にある問いはかなり一貫している。

それは、「人は本当に、みんなと同じ形で生きなければならないのか」という問いだ。

phaさんの文章は、声が大きくない。社会を変えようと叫ぶというより、満員電車の端で、少し眠そうに「それ、そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか」と言う。その温度がいい。強い言葉に疲れている人ほど、するっと入ってくる。

初期のphaさんは、働かないこと、持たないこと、ネットを使ってゆるく生きることに重心があった。そこには、会社や家族やお金に人生を全部預けなくてもいいという、若い反抗の軽さがある。ただ、その軽さは無責任というより、息苦しい社会の中で酸素を探す動きに近い。

近年の本では、その視線が少し変わっている。若さが終わること、かつての場所が変わること、誰かと騒いでいた時間が過ぎていくこと。その変化を、phaさんは必要以上に美談にしない。寂しさは寂しさとして置き、でも人生がそこで終わるわけではない、と淡々と書く。

だから、phaさんの本は「会社を辞めたい人」だけの本ではない。友人関係に疲れた人、家族の期待が重い人、働く意味がわからなくなった人、何かを成し遂げなければいけない空気にうんざりしている人に届く。社会の普通をまるごと壊すのではなく、少しだけ離れて、自分の呼吸が戻る場所を探す本なのだ。

phaさんのおすすめ本4選

1.しないことリスト(大和書房)

phaさんを初めて読むなら、まず『しないことリスト』が入りやすい。タイトルの通り、この本は「何をするか」ではなく「何をしないか」から生活を見直す本だ。前向きな目標、努力、成長、習慣化、自己投資。そういう言葉が並ぶ棚の中で、この本だけは少し違う向きに置かれている。

人は疲れているときほど、なぜか自分に課題を足そうとする。もっと早起きしたほうがいい。もっと人付き合いを頑張ったほうがいい。もっと仕事を好きになったほうがいい。もっと将来を考えたほうがいい。そうやって「もっと」を積み上げた結果、机の上にも、頭の中にも、やらなければならないことが散らばっていく。

この本がいいのは、そこで「頑張り方」を教えないところだ。むしろ、やらなくていいこと、気にしなくていいこと、無理に引き受けなくていいことを一つずつ外していく。部屋の窓を少し開けるように、生活の中に風の通り道を作る。

phaさんの文章には、「ちゃんとした人になれない自分」を責めすぎない感覚がある。予定を詰めこめない。雑談が得意ではない。仕事に全力で燃えられない。人とずっと一緒にいると疲れる。普通なら欠点として語られがちな性質を、この本では無理に矯正しない。

もちろん、何もしないで全部うまくいくという本ではない。そこを勘違いすると、ただの怠けの肯定に見えてしまう。そうではなく、自分に向いていない消耗を減らすことで、残った力を生活に戻す本なのだ。すべての誘いに行く必要はない。すべての期待に応える必要もない。人から見て感じがいいだけの返事を、いつも用意しなくてもいい。

人間関係に疲れているとき、この本は特に効く。友人の返信が遅いことにそわそわする夜、職場の空気に合わせすぎて帰り道にぐったりしている日、家族の期待にうまく笑って応えたあと。そういうときに読むと、「自分の気力には限りがある」という当たり前のことを思い出せる。

この本を読むと、生活が劇的に変わるというより、まず一日の中の小さな罪悪感が減る。断ること、休むこと、距離を置くこと、何かを捨てること。その一つひとつが、逃げではなく調整に見えてくる。

phaさんの本に入る最初の一冊として、この本がいいのは、思想より先に体感があるからだ。難しい理屈を読む前に、読者の肩を下ろしてくれる。ページを閉じたあと、スマホの通知を一つ消す。行きたくない予定を一つ見直す。それくらいの小さな変化から始められる。

頑張りたいのに頑張れない人よりも、頑張ること自体に疲れてしまった人に合う。特に、何かを始める本ばかり読んできた人ほど、この「しない」という入口は新鮮に感じるはずだ。

2.持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない(幻冬舎)

phaさんの考え方の中心を知るなら、『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』を外せない。タイトルからして、かなり強い。働きたくない。家族を作らない。お金に縛られない。社会の標準コースを歩いている人ほど、少しざわっとする言葉が並んでいる。

ただ、この本は挑発だけでできているわけではない。読んでいくと、むしろ静かな本だとわかる。phaさんは、社会の普通を怒鳴りつけるのではなく、「それ、本当に自分に必要なのか」と一つずつ眺める。仕事、住まい、結婚、家族、お金、友人、老後。どれも人生の大事な要素だが、大事だからこそ、他人の型をそのまま着ると苦しくなる。

この本の読みどころは、持たないことを貧しさとしてだけ扱わないところにある。もちろん、お金がないことには不便がある。生活の不安もある。けれど、たくさん持つことで生まれる不自由もある。高い家賃を払うために働き続ける。評判を守るために人間関係を維持する。家族らしさを守るために、自分の本音を飲みこむ。持つことは、安心だけでなく管理も連れてくる。

phaさんは、その管理の重さに敏感だ。物を持つ。肩書きを持つ。期待を持つ。役割を持つ。持つものが増えるほど、自分がどこにいるのかわからなくなる。だからこの本は、「捨てれば幸せ」という単純な話ではなく、何を持つと自分が苦しくなるのかを見分ける本として読める。

働くことに疲れた人が読むと、かなり刺さる。特に、仕事が嫌いというより、仕事を人生の中心に置くことに違和感がある人に合う。朝起きて、電車に乗り、画面を見て、会議に出て、帰って寝る。何か大きな不幸があるわけではないのに、生活がじわじわ乾いていく。そんな状態のとき、この本は「その違和感はなかったことにしなくていい」と言ってくれる。

家族についての距離感も、この本の大きな部分だ。家族を作ること、家族を大事にすることは、社会ではほとんど無条件に良いものとして語られる。しかしphaさんは、そこにも合う合わないがあると書く。これは、家族を否定する話ではない。家族という形を絶対視しないことで、逆に人とのつながりを少し自由に考えられるようになる。

読みながら感じるのは、phaさんの幸福論が「上を目指す幸福」ではないということだ。もっと成功する、もっと稼ぐ、もっと認められる。その階段を上る幸福ではなく、階段の横に座って、雲の動きを見るような幸福である。競争から降りた場所にも、ちゃんと生活はある。

ただし、この本は誰にでもすぐ優しく響くわけではない。今まさに責任を抱えて走っている人が読むと、少し腹が立つかもしれない。そんな簡単に降りられない、と思う人もいるはずだ。でも、その反発も含めて読む価値がある。なぜなら、自分が何を守るために苦しくなっているのかが見えてくるからだ。

『しないことリスト』が日々の消耗を減らす本だとすれば、この本は人生の前提を疑う本だ。読む順としては二冊目に置きたい。いきなり読むと強く感じる部分もあるが、一冊目で少し肩の力が抜けたあとなら、phaさんの思想の輪郭が見えやすくなる。

社会の普通に合わせているうちに、自分の欲しい生活がわからなくなった人に向いている。読み終えたあと、すぐに何かを捨てる必要はない。ただ、今持っているものを一度テーブルに並べて、「これは本当に自分のものだろうか」と眺め直す。その時間が、この本から始まる。

3.どこでもいいからどこかへ行きたい(幻冬舎)

『どこでもいいからどこかへ行きたい』は、phaさんの本の中でも、気分の変え方がよく出ている一冊だ。タイトルがすでにいい。「ここではないどこか」ではなく、「どこでもいいからどこか」。大きな夢や目的地があるわけではない。ただ、今いる場所から少し離れたい。その弱い衝動を、ちゃんと本の形にしている。

旅の本というと、絶景、名店、名所、出会い、人生観の変化がセットになりやすい。けれどphaさんの旅は、もっと低温だ。目的地で何かを達成するというより、移動している時間そのものに意味がある。電車に乗る。知らない駅で降りる。店に入る。宿でぼんやりする。そういう小さなズレが、固まった気分を少しほぐしていく。

この本は、旅を特別なイベントから日常の調整へ戻してくれる。遠くへ行かなくてもいい。完璧な計画を立てなくてもいい。誰かに見せる写真を撮らなくてもいい。ただ、いつもの部屋、いつもの道、いつもの人間関係から少しだけ外れる。その外れ方に、phaさんらしさがある。

人間は、場所にかなり影響される。同じ部屋にいると、同じ悩みを何度も考えてしまう。同じ駅を使い、同じ道を歩き、同じ机に座っていると、昨日の気分がそのまま今日にも貼りつく。だから、悩みを解決する前に、場所を変えるだけで少し楽になることがある。

この本が刺さるのは、何かを決断するほど元気ではないが、このまま同じ場所にいるのもしんどいときだ。仕事を辞めるほどではない。人間関係を切るほどでもない。人生を変えるほどの勇気もない。でも、少しだけ遠くへ行きたい。休日の昼過ぎ、洗濯物を干したあとに急に虚しくなるような日に、この本はよく合う。

phaさんの文章は、旅先を過剰に意味づけない。これが読みやすい。旅で人生が変わった、という話は美しいが、疲れているときには少し重い。人生を変えなくていい。ただ、今日の気分が少し変わればいい。そんな小さな効能を、この本は大げさにせず差し出す。

前の二冊が「社会の普通から距離を取る」本だとすれば、この本は「物理的に少し動く」本だ。考え方を変えるのが難しいとき、身体を先に動かす。駅のホームに立つ。車窓を見る。知らない街の空気を吸う。すると、頭の中で固まっていた問題が、少しだけ別の形に見える。

旅が好きな人だけでなく、旅に行くのが苦手な人にも読んでほしい。むしろ、予定を立てるのが面倒で、荷造りも苦手で、どこに行けばいいかわからない人のほうが、この本の温度に合うかもしれない。きらきらした旅ではなく、だるさを抱えたままの移動がここにはある。

読後に残るのは、すごい場所へ行きたいという欲望ではない。近所の知らない道を歩いてみようとか、次の休みに一駅だけ遠くへ行こうとか、その程度の小さな動きだ。でも、その小ささがいい。人生を変えるのではなく、気分の向きを少しずらす。その感覚を覚えると、暮らしの中に避難経路が増える。

phaさんの本を読む順としては、三冊目に置きたい。『しないことリスト』で日々の荷物を減らし、『持たない幸福論』で人生の前提を見直したあと、この本で実際に少し動いてみる。読むだけで終わらず、生活の中に小さな移動を作れる一冊だ。

4.パーティーが終わって、中年が始まる(幻冬舎)

『パーティーが終わって、中年が始まる』は、phaさんの本を何冊か読んだあとに手に取ると、かなり味わいが変わる。タイトルには、にぎやかな時間の終わりがある。かつての友人、共同生活、夜更かし、ネットの空気、若さの勢い。そうしたものが少しずつ遠ざかり、気づけば中年が始まっている。

phaさんというと、働かない、持たない、だるい、ゆるい、といった言葉で語られやすい。けれどこの本には、それだけでは収まらない時間の重みがある。若いころに「普通の人生」から降りた人にも、年齢はやってくる。自由に生きていても、身体は変わる。人間関係も変わる。場所も変わる。ずっと同じテンションではいられない。

この本のよさは、中年を説教くさく語らないところだ。年を取ったら責任を持て、落ち着け、家庭を持て、社会に貢献しろ、という方向には行かない。かといって、若さにしがみつく本でもない。終わったものは終わったものとして見つめる。そのうえで、ではこの先をどうやって過ごすのかを考える。

若いころは、社会から外れること自体に解放感がある。みんなと同じ会社、同じ家族像、同じ成功ルートに乗らなくてもいい。その発見だけで、世界が少し広くなる。しかし中年に入ると、外れたあとにも時間が続くことが見えてくる。自由は、ずっと祭りのように続くわけではない。静かな午後のような時間が増えていく。

この本は、その静かな午後をどう受け入れるかの本でもある。何者かになれなかった焦り、昔ほど人と会わなくなる寂しさ、若い人たちの熱気を少し離れた場所から見る感じ。そうした感情を、phaさんは大げさな悲劇にしない。寂しいけれど、まあそういうものかもしれない、という距離で書く。

30代後半から40代にかけて読むと、特に響く部分が多いはずだ。仕事でも家庭でも趣味でも、「前ほど無限に時間があるわけではない」と感じ始める時期がある。深夜まで語り合った友人と、以前ほど会わなくなる。新しい流行に乗るのが少し面倒になる。身体の疲れが翌日に残る。そういう細部が、中年の入口を静かに知らせてくる。

ただ、この本は暗いだけではない。むしろ、若さが終わったあとにも生活は続くという当たり前のことに、少し安心する。パーティーが終わったからといって、部屋が消えるわけではない。明かりを少し落として、残ったお茶を飲み、片づけながら次の朝を待つような時間がある。

phaさんの思想の変化を見る意味でも、この本は後半に置きたい。最初に読むと、少し地味に感じるかもしれない。けれど『しないことリスト』『持たない幸福論』『どこでもいいからどこかへ行きたい』を読んだあとなら、若さの自由がその後どう変わっていくのかが見える。これは、発展枠であり、同時に答え合わせのような一冊だ。

年齢に焦っている人にも、年齢を気にしないふりをしている人にも合う。特に、若いころの自分が好きだった価値観を、今の自分がまだ信じていいのかわからなくなったときに刺さる。昔の自分を否定せず、でも同じ場所には戻れない。その感覚を、無理に前向きにせず読ませてくれる。

読み終えると、中年という言葉の手触りが少し変わる。重い鎧ではなく、少しくたびれた上着のように感じる。新品ではないが、身体になじんでいる。若さの終わりを敗北としてではなく、生活の次の季節として受け取るために、この本はphaさんの4冊目に置きたい。

関連グッズ・サービス

本を読んだ後の学びを生活に根づかせるには、読書の環境を少し軽くしておくといい。phaさんの本は、一気に気合いを入れて読むより、疲れた日の夜や移動中に少しずつ読むほうがなじみやすい。

電子書籍で読める環境があると、布団の中や電車の中で、思いついたときに読み返しやすい。特にphaさんの本は、何かを学ぶというより、気分の角度を少し変える読書に向いている。

Kindle Unlimited

耳で聴ける本は、疲れて文字を追う元気がないときの避難場所になる。散歩中や移動中に声で入ってくる文章は、机に向かう読書とは違う形で残る。

Audible

もう一つ合わせるなら、小さなメモ帳がいい。phaさんの本を読んでいると、「これはやめてもいいかもしれない」「ここは少し離れていいかもしれない」という気づきがぽつぽつ出てくる。立派なノートでなくていい。鞄の底に入るくらいの紙に、生活を軽くするメモを残しておくと、本の余韻が日常に戻りやすい。

まとめ

phaさんの本は、人生を大きく変えるための号令ではない。むしろ、大きく変えなければいけないと思い込んでいる人に、「少し減らす」「少し離れる」「少し移動する」「少し年を取る」という別の道を見せてくれる。

読む順で迷うなら、まずは『しないことリスト』から入るのがいい。日々の人間関係や予定に疲れているなら、この本がいちばん早く呼吸を戻してくれる。次に『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』を読むと、phaさんの考え方の芯が見えてくる。

頭で考えすぎていると感じるなら、『どこでもいいからどこかへ行きたい』へ進むといい。移動することで気分を変える感覚が、生活に小さな出口を作ってくれる。最後に『パーティーが終わって、中年が始まる』を読むと、若さの自由がその後どう変わっていくのかまで見えてくる。

  • 今すぐ楽になりたいなら、『しないことリスト』。
  • 働き方や家族観、お金の価値観を見直したいなら、『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』。
  • 気分を変えるきっかけがほしいなら、『どこでもいいからどこかへ行きたい』。
  • 年齢の変化や中年の入口を考えたいなら、『パーティーが終わって、中年が始まる』。

phaさんの本を読むと、社会の普通から完全に降りなくても、少し横にずれるだけで楽になることがわかる。頑張る前に、まず荷物を一つ置いてみる。そのくらいの軽さから始めればいい。

FAQ

phaさんの本は、どれから読むのがいいか

最初の一冊なら『しないことリスト』が読みやすい。章ごとに生活の中の小さな負担を外していく感覚があり、phaさんの文章の温度にも入りやすい。そこから『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』へ進むと、働き方や家族、お金に対する考え方の芯が見えてくる。

phaさんの本は、仕事を辞めたい人向けなのか

仕事を辞めたい人にも響くが、それだけの本ではない。むしろ、仕事、人間関係、家族、年齢、将来への期待など、社会の普通に合わせ続けることに疲れた人向けだ。読んだからといって何かを急に捨てる必要はない。自分が何に消耗しているのかを見分け、距離を調整するために読める。

『持たない幸福論』は過激な内容なのか

タイトルは強いが、本文の温度はかなり静かだ。働くこと、家族を作ること、お金を持つことを一方的に否定するというより、それらを絶対の正解にしないための本として読める。今の生活に違和感がある人ほど、自分に必要なものと、周囲に合わせて持っているだけのものを分けやすくなる。

中年になってから読むならどの本が合うか

中年の入口にいるなら、『パーティーが終わって、中年が始まる』が合う。若いころの自由やにぎやかさが少し遠くなり、生活の温度が変わっていく感覚を、無理に明るくも暗くもせずに読ませてくれる。ただ、先に『しないことリスト』や『持たない幸福論』を読んでおくと、phaさんの変化がより見えやすい。

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