再婚、死別、人生には様々なシーンが訪れます。
望むと望まないとにかかわらず、環境に順応する必要もあります。
そんなときに少しでも役に立つかもしれない本をご紹介します。
『赤毛のアン』
著・ルーシー・モード・モンゴメリ
マシュウとマリラは、カナダのプリンス・エドワード島に住んでいました。ふたりのすまいはグリン・ゲイブルス(線の切妻屋根)」と呼ばれる気持ちのいい家でした。
恥ずかしがり屋のマシュウ、しっかり者の妹のマリラは、ふたりとも結婚していなかったので、この家には子どもはいませんでした。
ある日、新しい家族がやってくることになりました。親のない男の子をひとりもらうことにしたのです。ところが、むかえにいったマシュウを待っていたのは、そばかすだらけの女の子、アンでした。
1908年に出版され、日本では1952年に村岡訳で出版されました。以来、さまざまの訳で紹介されています。このシリーズは、2004年に「新装版として出された全7冊ものです。小中学校の女の子におすすめです。
『のっぽのサラ』
著・パトリシア・マクラクラン
おとうとが生まれたとき、アンナのママは死んでしまいました。それからというもの、パパは好きな歌もうたわなくなりました。
しばらくして、パパは新しいママをさがすため、新聞に広告を出しました。やがてサラという人がみつかり、いっしょにやっていけるかどうか、1か月ほどくらしてみることになりました。
サラの手紙には、こう書いてありました。「黄色の帽子をかぶっていきます。わたしはのっぽで、ぶさいくです。サラ」
ひと昔前のアメリカの大草原に暮らす家族の物語。海で育ったサラが、大草原のまっただ中に住むアンナたちの新しい家族になってくれるのだろうか?
短い物語ですが、人と人とのつながりがていねいに描かれている名作です。続編に『草原のサラ』(徳間書店)があります。
家族の関係に悩んでいる人におすすめの本です。
『ルーム・ルーム』
著・コルビー・ロドースキー
病気になったおかあさんは、リビィをたったひとり残して死んでしまいました。リビィは、おかあさんの大学時代の友人ジェシーにひきとられることになりました。
リビィが会ったこともない人ですが、それがおかあさんの希望だったのですから、しかたありません。ジェシーは「くるり屋」というお店をやっていて、けっこういい人みたい。
でも、リビィは納得できません。心の中では、ジェシーの子どもにはなりたくないとさけんでいました。
英語でルーム(loom)は布を織る「機織り機」の意味なので、タイトルは「機織りをする部屋」のことです。
ジェシーは、自分の大事な機織り機を処分してまで、リビィをむかえる部屋を用意しました。それを知ったリビィの心の変化が描かれています。
血がつなかった肉親だけが本当の家族なのだろうか。
そんな疑問を持ったときに是非、この本たちを手にとっていただきたいです。
必ず得るものがあると思いますよ。