ミステリーに重要なもの…それは自分がその世界の登場人物になったような気分になれること!?今回はそんな、没入感にフォーカスを当てた極上ミステリーをご紹介します。
切り裂き魔ゴーレム
まずはこちら『切り裂き魔ゴーレム』。
映画化もされた話題作です。舞台は19世紀末のイギリス・ロンドン。ミステリー好きにはたまらない世界観と、情景が浮かび上がってくるような、匂い立つような描写で初っ端からぐいぐい引き込まれていきます。それに加えてマルクスなどの実在の人物の登場で、現実とフィクションの境目がぼやけ、背筋がぞくぞくするような小説でした。
夫を毒殺したとされるエリザベスと、生前彼女の夫が抱えていた秘密とは…?驚きのラストに息を呑むこと間違いなしです!
パードレはそこにいる
続いてはこちら、『パードレはそこにいる』です。
スピード感のある展開に上下巻にもかかわらず、あっという間に読み終わります。随所に散りばめられた巧妙な仕掛けもさることながら、休職中の女性警官・コロンバのちょっと短気にも思える描写や、相棒・ダンテの人を食ったような言い回しがどことなくリアル。
キャラクターを好きになれるミステリーでした。続編も出ていますが、そちらも骨太な良作で、今後の展開が気になる一冊です。
ヴァイオリン職人の探求と推理
最後は『ヴァイオリン職人の探求と推理』です。刑事や探偵が事件を解決するのは当然ですが、こちらの作品の主役はなんと、ヴァイオリン職人、という一風変わったもの。
同業の親友が殺人事件に巻き込まれて死んでしまったことから、刑事の要請により同じ職人の観点から調べを進める老齢の主人公・ジャンニ。その内に彼は、未発見のストラディヴァリウスを巡る大事件に巻き込まれていきます。
ヴァイオリンに関する知識も増え、ミステリーとしても面白い!なんとも一石二鳥な小説でした。
いかがでしたか?リアルな描写と深い知識に裏打ちされた作品はまさに圧巻の一言。作品世界に没入できるミステリー、あなたも一冊試してみては?