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【女性が主役】王宮が舞台のおすすめ小説3選

 今回オススメさせて頂きたい本は全て女性が主役の小説で、また舞台も王宮という共通点があります。

 「王宮」「女性」なんてキーワードを聞くとなんだか華やかな世界を想像しますよね。

 でも、今回ご紹介させていただく三作品は一筋縄ではいかない物語たちです。甘い甘い砂糖菓子のような物語は一つもございません。

 夢見る少女ではなく、大人の女性、また主婦の方にもオススメしたいです。

 

「テンペスト」

テンペスト 上 若夏の巻

池上永一

 主人公の少女真鶴は19世紀の琉球に生まれます。真鶴はとても聡明でしたが、少女として生まれたがゆえに兄と同じように学ぶ機会を得られないことに不公平を感じていました。ところがある日、厳しい父に耐えかねた兄が失踪。突如真鶴は家のために性別を偽り男の孫寧温として官吏になることを迫られます。

真鶴は男として生きることを決め、厳しい官吏になるための試験、科挙に史上最年少の13歳で合格します。

その後様々な難題を解決し、出世をして行きますが、やはりそこには色々な壁や敵が行く手を阻み、ついには罪人として当時は辺境の地であった八重山へ島流しに会います。そこで真鶴は再び女性としての生活を始めますが、そこでいい女っぷりを発揮しまくり、その噂が都の首里城まで届いて、今度は女として後宮に返り咲き、また王宮に官吏孫寧温としても復帰することに・・・という正直ベルばらもびっくりなファンタジーぶりなのです。

 

ここがおすすめ

 NHKでもドラマ化がされている本なのでご存知の方も多いかもしれません。舞台である琉球の歴史や文化を感じられるものとして、また、激動の時代の一つの国家の話としても、そして一人の少女の数奇な運命を辿る物語としても、とても多様に楽しめる小説です。

 正直ドラマを見ていると、原作は急展開すぎてついてけない、言葉使いが軽薄すぎて時代の重みがないなどと、問題点は沢山あるなぁとはファンである私自身思うのです。しかし、それでも推せると思うのは、この物語の妙なうまさなのです。

琉球という王国が資源や技術、武力を持たずして日本と清という大国に挟まれ如何にして国としてあったか、またヨーロッパともまともに渡り合うその交渉力。とても魅力的な国の歴史物語だと思いましたし、また単調になりがちな歴史を読ませるだけのエンターテインメント性というのが主人公の真鶴にはあるのです。

 なんというか、ベルサイユのばらが好きな女性なら楽しく読めるのではないかと思います(笑)。

 大長編なのでとりあえず文庫版をお手にとって一冊だけ読んでみるというのもオススメです。

 

「十二国記シリーズ」

月の影 影の海〈上〉―十二国記 (新潮文庫)

小野不由美

 シリーズの一番最初「月の影 影の海」のあらすじなのですが、ざっくりいえば気弱な女子高生の「陽子」がひたすら悲惨な目に合う話というか・・・。

 そもそも、このシリーズは一二の国によって成り立つ中華風の異世界を舞台にした物語です。どの国にも麒麟という聖獣がいて、この麒麟が王を選びます。その王様の中にはもちろん女性もいます。

 そしてこのシリーズ一番最初に景という国の麒麟に王として選ばれたのが、なぜか現代日本の女子高生「陽子」だったのです。しかしそこに「王」という立場の甘い夢はありません。

突如日常を壊され、王として異世界に迎えられたはずの陽子でしたが異世界で目覚めてみれば、自分を保護する筈の麒麟はおらず、手元には剣が残るのみ。理由もわからず、次々に襲い来る魔物と戦い、飢えを凌ぎながらの、ただ生きるための生活。親切にしてもらった人に遊郭に売り飛ばされそうになり、人間不信にもなります。

いつの間にか人の評価ばかりを気にしていた気弱な女子高生は何処へやら、獣のような有様です。しかし、陽子は厳しい旅の途中、楽俊という存在と出会い変わります。楽俊は半獣で、子供ほどの大きさのネズミの姿はしていますが、知能は人間と変わりなく、また人の姿になることもできます。半獣である楽俊は他の人よりも賢いにも関わらず差別に会い、まともに勉強をするのも大変な暮らしをしてきました。そんな楽俊と出会い陽子は始めて異世界の常識を知り、またどのように前を向いて生きるかを学ぶのです。

そして、人として成長した陽子は王になる決心をします。

ここがおすすめ

 こちらの本も大昔にNHKでアニメ化がされてるので私と同じくらいの世代の方ならご存知かもしれません。剣も魔法も魔物も出てくるようなゴリゴリのファンタジーなのですが、大人の方にオススメしたいのはその精神と身の毛もよだつ描写故です。そもそも作者の小野不由美さんは最近だと「残穢」少し前だと「屍鬼」などのホラー小説でも有名な方ですね。

 シリーズ全体を通して、言えるのはその緻密な世界観の作り込みと、人の成長の素晴らしさです。もちろん世界はファンタジーですが、そこに息づく人々はとてもリアルです。娯楽性というだけではなく、作中の人々の言葉一つ一つに私自身大きく突き動かされ、学びを得ることができました。

女性の皆様に、一つ自らの日常や生活を改めて考えるきっかけとして読んでいただくのにオススメです。

 

「烏に単は似合わない」

烏に単は似合わない  八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

阿部智里 

 「八咫烏」と呼ばられる一族が支配する世界で、世継ぎの若宮の妃選びがこの物語の舞台です。宮中で覇権を競い合う大貴族の四家から遣わされた后候補の四人の姫君たちが、様々な思いを胸にその座を争います。煌びやかな後宮とは比をなすような姫君たちの思惑、そして、妃選びの最中に起こる様々な不審な事件。姿を見せない若宮が、動き出したとき、またこの物語も姿の見えなかった半面を表すのです。

ここがおすすめ

 一見、表紙を見ても裏表紙のあらすじを読んでも、なんだか和製ファンタジーラブロマンスなのですが、この「史上最年少松本清張賞受賞作」という一言がどうにも引っかかります。

え?どういうこと?って思いませんか?

 松本清張の名に恥じないその心理描写とストーリーの手のひら返しっぷりには頭が下がります。余りに見事な物語で、ここでネタバレは間違ってもできません。とにかく読んで改めて人の恐ろしさを確認して見てください。

 いい意味で裏切られて見ませんか?

 こちらもシリーズなのですが、一作目は単体としても完成されているので安心して試し読みができます。

 和製ファンタジー好きに、そしてミステリー好きの女性にオススメです・・・。

 

最後に

 いかがだったでしょうか?今回ご紹介させていただいた本は全て「王宮」「女性」がキーワードではありましたが、少し王道とは外れたものをオススメさせていただきました。

 一冊でも興味を惹かれる作品があれば幸いです。

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