2025-12-27から1日間の記事一覧
岡嶋二人は、筋道の立った推理の快感と、サスペンスの速度が同じページに同居する作家ユニットだ。代表作から入ると「情報の出し入れで世界の見え方が変わる」感触が身につき、日常の出来事まで少しだけ疑い深く、面白く見えてくる。 岡嶋二人の魅力 岡嶋二…
山口雅也のミステリーは、理屈が立つほど世界が歪み、歪むほど推理が冴えていく。代表作から入ると、その奇妙さは「難解」ではなく「快楽」だと分かる。読み終えたあと、現実の偶然や噂話まで少しだけ疑って見たくなる。 山口雅也とは 山口雅也おすすめ本18…
小林泰三のミステリーは、論理の背骨に、童話の甘さと悪夢の冷たさを同居させる。代表作『メルヘン殺し』を起点に、密室、サスペンス、ホラーへと読書の足場を広げられる13冊を選んだ。作品一覧の入口が欲しい人にも、読み終えたあとに日常が少し歪む感触を…
姉小路祐を読むと、事件の派手さよりも「組織の空気」と「現場の手触り」が残る。人情に寄りかかりすぎず、正義を振り回しすぎもしない。その中間で、誰かの人生が静かに崩れていく音が聞こえる。本記事では代表作へつながる入口を中心に、おすすめ20冊を丁…
太田忠司を読みたいなら、まずは「日常の違和感をほどく軽やかさ」と「構造で刺してくる長編」の両方を触るのが早い。代表作に当たる『月読』の異能ミステリーから、名古屋めしの気配が立つ『喫茶ユトリロ』まで、入り口が多い作家だ。 太田忠司という作家の…
大沢在昌を読むと、街の灯りが少しだけ違って見える。警察の理屈、裏社会の呼吸、正しさの置き場のなさ。その全部を抱えたまま、物語は前へ進む。まずは代表作の新宿鮫から入り、作品一覧を辿るように、熱と冷えのある30冊を並べた。 大沢在昌とは おすすめ…
大倉崇裕のミステリーは、事件の派手さより「人が嘘をつく瞬間の手触り」で読ませる。倒叙の快感、いきものの知恵、不動産の闇、山の沈黙。代表作から入口を作り、気分に合う一冊へ迷わず辿り着けるように12冊を並べた。 大倉崇裕の書き味をつかむ 大倉崇裕…
坂木司のミステリーは、事件より先に「生活の温度」が立ち上がる。部屋の空気が少し重い日も、誰かの言葉が刺さって抜けない夜も、謎解きがうまく呼吸を整えてくれる。作品一覧を追うほどに、優しさだけでは終わらない現実の苦みが、甘い後味に混ざって残る…