2025-12-26から1日間の記事一覧
古野まほろのミステリーは、事件の派手さよりも「仕事としての警察」が立ち上がる瞬間に強い熱がある。制服のきしみ、紙束の重さ、電話口の沈黙。その全部が、推理の材料になる。、新任シリーズとR.E.D.を軸に20冊をまとめた。 古野まほろという作家を読む手…
原宏一のミステリーは、事件の派手さよりも「人が生きている街の温度」で読ませる。笑って肩の力が抜けた瞬間に、胸の奥のしこりがほどけていく。代表シリーズから単発までをまとめたおすすめ本20選で、いまの気分に合う一冊を見つけてほしい。 原宏一という…
加納朋子のミステリーは、派手な凶器よりも、会話の間や沈黙の温度に真相が潜む。読み終えたあと、誰かの言葉を少し丁寧に聞き返したくなるのが、この作家の強さだ。まずは代表作から入りたい人に向けて、連作の気持ちよさと、心の奥に残る違和感が両立する2…
出口汪は「論理」の人として知られる一方で、言葉の裏側に沈む影や、文字が抱え込んだ時間の痛みを、じわりと照らす書き手でもある。代表作に挙げたい小説『水月』から、漢字の由来を“謎”として読む一連の本まで、ミステリー好きの感覚に合う4冊を厚めにレビ…