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日本のおすすめ名作クラシックミステリー本4選

かなり昔、ミステリーは一部のちょっと変わった人が好む特殊な小説という雰囲気がありました。特に本格推理小説の分野は長く低迷期が続きましたが、1980年代後半から、新本格の旗手たちによって意欲的な作品が続々と生まれ、本格ミステリーは今も根強いファンを獲得していると思います。一ミステリーファンとして、今の時代は喜ばしい状況です。
私が若い頃親しんでいたミステリーは既に古典となり、今の大学生や若い社会人には逆に新鮮に響くかもしれません。それで私がおすすめする日本のクラシックミステリーを選んでみました。


1.「点と線」

 

点と線 (新潮文庫)

松本清張著
 社会派と呼ばれたミステリーの巨匠ですが、この作品は刑事が謎に挑んでいく本格的な味わいもあります。「砂の器」の方が認知度があるかもしれませんが、謎解きの面で「点と線」はコンパクトにまとめてある気がします。

煌びやかさはありませんが、清張が得意とした昭和特有の時代の匂い、人物の造形、寒さにうち震えるような地方の情景などが、刑事が謎を追う過程で、淡々としながらくっきりと立ち上ってきます。


2.「犬神家の一族」 

犬神家の一族 金田一耕助ファイル 5 (角川文庫)

横溝正史著 
 映画化され、繰り返しテレビ化されました。若い方もご存じかもしれません。山間の湖畔に立つ財閥当主の屋敷。そこに集う一族の間で起きる連続殺人事件。腹違いの三人の娘たち、美しい同居の女性、怪しいマスクの息子。どろどろと渦巻く人間関係。明らかにされる純愛。
 若い頃から草紙物好みだった横溝ワールド全開です。もちろん謎は、文句なしの本格物です。ただ、殺人の実行には若干無理があるのが残念ですが、それを補って楽しめると思います。


3.「獄門島」 

獄門島 (角川文庫)

横溝正史著
 突然ですが、クリスティーの「そして誰もいなくなった」に匹敵するような日本のミステリーといえば、どの作品をあげますか?私はいくつかある中でも、この「獄門島」は絶対あげます。
 おどろおどろしさと煌びやかさが奇妙に混じり合った作品です。奇妙で怪しい登場人物はお約束ですし、トリックが派手で、華やかな位です。ミステリーとしては「本陣殺人事件」を上にあげる方もおいででしょうが、私は「本陣」は盛り込みすぎの感があり、「獄門島」を推します。動機が不自然という指摘があったそうですが、まあご愛敬で済ませられるレベルと思います。
 なによりも、本作と「犬神家の人々」は、戦争がなければ起きなかった事件だと思うと、横溝正史なりの反戦作品なのでしょうか。


4.「不連続殺人事件」 

不連続殺人事件 (角川文庫)

坂口安吾著
 文豪がミステリー好きというのはままあるようですが、坂口安吾は懸賞金付き犯人当て推理小説としてこれを書きました。新聞掲載だったので、かなりの一般読者が謎解きに参加したようです。もちろん私も文庫本で参加しました。掲載当時、安吾の知り合いの名だたる作家や編集者が見当違いの犯人を指摘するのを、安吾が面白がっており、その様子が笑えます。実際に犯人探ししてみると結構難しく、ちなみに私は5回繰り返し読んでようやくわかりました。
 文豪が、ミステリーを成功させたという点でおすすめできます。
 

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