酒屋。気を使わないでその場を楽しむ場所。おいしいお酒とおいしい料理。リーズナブルな価格。個性的な店主と常連客。
そんな雑踏な雰囲気に憧れます。特に女性にとっては酒場は敷居が高いと思いますが、最近では「酒場女子」なんて常連さんもいるとのこと。今回は酒場をテーマにした本を紹介いたします。酒場デビューの前の予習として、酒場巡りが趣味な方におすすめの本です。
酒場っ子
パリッコ(著) (スタンド・ブックス)
現代の酒場っ子ライターの著者による安くて楽しい酒場あるきエッセイ。お店の雰囲気だけではなく、どこでも楽しく飲む方法など読み物としても楽しい一冊。酒場に興味があるけど入っていく勇気がない方、今夜はどこの酒場に行こうかと迷っている方。
ビニール装丁の本で、お酒をこぼしても安心な仕様。ゆるいイラストが気持ちもほぐしてくれます。
たそがれ酒場
半村 良(著) (中公文庫)
昭和の時代を生きた新宿、銀座と渡り歩いてきたバーテンダーの仙田が最後の夢として神田の地にバーを構える。
「雨やどり」「新宿馬鹿物語」の主人公のその後を描いた作品ですが、こちら単独でも楽しむことができます。わけありの女たち、現役を退いたやくざたち、芸人。
ギラギラとした都会のなかで、交錯しあう人間関係。こんなバーに通いたいと思わせてくれる洒落た光景と、仙田の歳の重ね方が素敵な大人の雰囲気あふれる一冊です。
東京酒場漂流記
なぎら 健壱(著) (ちくま文庫)
フォークシンガーの著者がバブル前の東京の酒場での思い出や酒、出会った人々について綴ったエッセイ集。店内の雰囲気やママのキャラクターの描写に笑ったり、ときにしんみりさせられたり。
夕暮れ時、ぶらりと暖簾をくぐって酒場に入りたくなるような気分になります。作中にでてくるお店は、残念ながら閉店してしまっているお店もありますが、酒場の雰囲気は存分に味わうことができます。
自分がくつろげる場所をもつということは、ストレス解消にもってこいだと思います。落ち込んだとき、誰かと触れ合いたいとき。何の損得関係もない仲間とワイワイお酒を酌み交わすことによってリフレッシュされることも。お酒が飲めない方も雰囲気だけでも味わってみてください。