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【落ち着く 本】「静」を味わう。読書に最適なおすすめ本

 あわただしい日常、音や情報の手垢にまみれて疲れたとき。そっとしておいてほしいとき、一人の時間が欲しいとき。静かな場所を求めるときがあります。何事にも惑わされず、じっと自分の殻にこもりたいとき。そんなときに寄り添ってくれる本を紹介いたします。激しい文章を読んだあと、長編古典を読んだあとに読みたい静かで心洗われるような本です。

 

平静の技法(TEDブックス)

平静の技法 (TEDブックス)

ピコ・アイヤー(著) (朝日出版社)
 24時間誰かから届くLINEやメール、電話。世の中にあふれる情報に振り回され、休むことができない多忙な日々。そんな生活を送っていると生活にひずみがでてしまうことも。

世界各国を旅してきた紀行作家が「どこにも行かない」豊かな旅についてのトークが本になりました。ただそこに静かに佇むということは、生産性を高めることにもつながる。メディアやテクノロジーとの付き合い方を考えさせられる本です。

 

追憶列車

 

追憶列車 (角川文庫)

 多島 斗志之(著)(角川文庫)
 時代ものから現代ものまで、背景が異なる5つの短編集。昔の淡い初恋を描いた表題作のほか、「マリア観音」「預け物」「虜囚の寺」「お蝶殺し」が収録されています。ミステリー作家として有名な著者が描いた叙情的な文体。

どこかひんやりとした静けさのなかにほとばしる女性の衝動が描かれています。ひとつひとつの情景描写が流れるように美しく、心に静けさが訪れます。

 

パークライフ

 

パーク・ライフ (文春文庫)

 吉田 修一(著) (文藝春秋)
 日比谷公園で出会った謎の挑戦を続ける老人、名前も知らない女性との逢瀬。都会の生活を満喫するでもなく、ただふんわりと生きている主人公が、偶然出会った人や出来事を描いた表題作のほか、田舎からでてきて都会の変化に馴染めない若者を描いた「flowers」を収録。どちらも物語に激しい展開はありませんが、偶然の出会いが日常に厚みをもたせ、世界がゆっくり動いていくような印象を受けます。芥川賞受賞作品。

 

 読書が趣味の方は、一人の時間を必要とする方が多いのではないでしょうか。心静かに本の声に耳を澄ませる、そんな贅沢な時間を過ごせる本です。

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