大学生や社会人にも当然青春時代があった訳ですが、社会に出て何年も経過すると多忙な毎日に疲れ果ててしまい当時の記憶ってどんどん薄れてしまうものです。
だからこそ青春時代を思い返したい人、キラキラした青春時代なんてなかったなんて人にもおすすめのスポーツ青春モノの小説を紹介します。
「DIVE!! 」
森絵都さんの小説でダイビングをテーマにした青春モノです。ダイビングは高さ10メートル、時速60キロで飛び込んで技の正確さと美しさを競う競技なのですが一般的な水泳競技などとは異なり経験したことがない人が大半でしょう。
そんなダイビングでオリンピックを目指す中高生を描いた作品でマイナー競技故にいろいろ興味深いし上下巻ですが一気に読めてしまいました。森絵都さんは少年を魅力的に描くのが上手な作家さんで一瞬で心を持っていかれた感じです。少年達の葛藤や挫折、ジレンマまた少年らしい日常を上手く描いていると思いました。
「風が強く吹いている」
三浦しをんさんの作品で箱根駅伝をテーマにしています。寛政大学4年の清瀬灰二が天才ランナーの蔵原走に出会メンバーを集めてたった10人で駅伝を目指すといったストーリーです。
正直なところ普通に考えて出来たばかりでさらには走りを専門にしてきた人達でもないメンバーで箱根駅伝に出るのは不可能です。それだけ多くの陸上選手の憧れの舞台で狭き門なのですが、リアリティはともかくキャラクターが魅力的で物語としては秀逸と言えます。
「一瞬の風になれ」
佐藤 多佳子さんの作品でこちらも陸上競技ですが短距離走をテーマにしています。主人公の新二の周りには2人の天才がいて、1人はサッカー選手の兄ともう1人が短距離走者で親友の連。そんな主人公が挫折してサッカーを諦めスプリンターを目指す姿を描いています。人物描写が丁寧で読んでいてとても爽やかな作品と言えます。スピード感がありページが進むし、ひたむきな登場人物達にちょっと胸が熱くなります。日常に疲れた時に読んで欲しい本と言えます。