読書が好きな中高生に読んでもらいたい小説をピックアップしました。ひとつのジャンルを追っかけて極めるのも読書の醍醐味ですが、大人と子どもの間を揺れ動く思春期には、好きなジャンルや作家さんにとらわれず、とにかくいろんなジャンルを読んで、いろんな価値観に触れてほしい時期です。
若い世代の本離れが問題になっていますが、それは自分に合わない本を読んでいるから面白くないと思うのかもしれません。一冊読みきるかどうかが目標ではありません。面白い本との出会いのチャンスを逃さないでください。今回は、そんな出会いの一つになる夢中になれる小説を紹介いたします。参考にしてくださいね。
わたし,男子校出身です
[まとめ買い] わたし、男子校出身です。Comic【分冊版】
椿姫 彩菜(著) (ポプラ社)
男の子として生まれたけれども心は女の子。家族と絶縁し、恋に苦悩し、社会的偏見と闘いながらも「女の子」として人生を切り開いてきた著者のエッセイです。ニューハーフモデルとして活躍されている著者がおくる自分らしさを諦めない強さ、劣等感を超えて美しくなっていく過程は、性同一障害の理解だけではなく同じ人として大きなエールをもらえます。落ち込んだり悩んだり、周りと違うことに傷ついている方におすすめです。
人生の贈り物
スペンサー ジョンソン(著) (ダイヤモンド社)
「かけがえのないプレゼント」を探し続ける青年。この世で一番大切なものはなんだろう、毎日が面白くない、もっとワクワクドキドキした日々を送りたいと毎日を物足りなく思っている方におすすめの老人と少年の対話から人生を見直すきっかけになる絵本。いま、あるがままの自分を愛することの大切さに気づかせてくれます。「チーズはどこへ消えた?」で有名な著者による若者への生きるためのエールがつまった一冊です。
たくさんのドア
アリスン・マギー(著) (主婦の友社)
卒業を迎えたときや、新しいことにチャレンジするときにおすすめしたい一冊。可能性を閉ざさず、一人で歩んでいく恐怖心や不安を優しく取り除いてくれ、そっと背中を押してくれる詩的なメッセージ。転機を迎えた大人になって読み返しても心にぐっとくる生きる喜びを思い出させてくれる絵本です。
ためになるかどうかは後回し。学ぼうと思えばどんなジャンルからも学びを得ることはできます。ヤングアダルト小説や漫画も立派な「本」です。面白そうと思ったら、どんどん手にとってみてください。大人になったときに、心の引き出しが増えていることに気づくと思います。